カゼと大病を間違えないために

 カゼの症状や原因についてまとめてきましたが、これに今イチ当てはまらないのにカゼだと思い違いをしている方がいます。その多くの方が、カゼの主症状(上気道の症状など)が無いのに、だるいとか頭が痛いことをカゼだと信じてしまっている場合です。具体例を挙げて見ましょう。
頭痛---元々頭痛持ちでないのに2ヶ月前から頭痛が時々して、それが今では一日中痛む。その上頭痛薬がまったく効かない。カゼだと思っていたのにいったい何で?
結果)
CTを撮ったら脳腫瘍だった。
反省)特徴的なカゼ症状がないうえに、カゼが2ヶ月も続くはずがないのに……。
だるさ---3ヶ月前から何となくだるかったが、この2週間疲れがまったく取れず寝てばかりいる。足もむくむし立ちくらみがする。
結果)血液検査でひどい貧血だった。
反省)カゼ症状がないのにだるさをカゼのせいにした。幸い検査の結果、子宮筋腫だったから助かったが、胃ガンや大腸癌だったらいっかんの終わりだった。命拾いした。
咳と痰---半年前からセキと痰が続き、だるさや微熱もあったがカゼが抜けないと思っていた。
結果)
たまたま健診の時期だったのでレントゲンを撮ったら胸に影があると言われた。CTで炎症が疑われ、痰を調べたら結核菌がでたため、結核病院に強制入院させ

られ、9ヶ月抗結核薬を飲むことになった。
反省)カゼの症状に似ているが、風邪薬を飲んでもいっこうに治らず、期間が長すぎたこと。痰には肺ガンの細胞は出ず、胸をなで下ろしているところだが、もっと早く受診しておくべきだった。家族に結核をうつしていやしないかと気が気でない。
微熱や動悸、寝汗--2ヶ月前からこれらの症状が出て、最近体重も減ってきた。カゼか更年期障害かと思って、薬局で漢方やサプリを買って飲んでいたがどんどん症状が重くなっているような気がする。
結果)
問診と簡単な診察で甲状腺の問題ではと言われた。血液検査でバセドウ病と診断され、薬を飲み始めたら全ての症状が軽くなってきた。
反省)熱や寝汗などもあったが、感冒症状と呼ばれる鼻水、くしゃみ、セキ、ノドの痛みが無く、微熱だけでカゼだと即断すべきではなかった。
ノドのつまり--4ヶ月前からノドの痛みや胸のつまりがあり、食べたものが通っていかないような感じがした。
結果)
問診の結果、胃カメラをすることになり逆流性食道炎と診断された。
反省)薬を飲んだらすぐ症状が取れたが、カメラの結果が食道癌なら大手術になっていただろう。全部取りきれず、命を落とすことになったかもしれないのでラッキーだった。






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