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カゼ症候群

 "かぜ"とはいったいどんな病気なのか、皆さんは考えたことがあるでしょうか?
 手元の国語辞典では、「呼吸器系の炎症性の病気で、単一の疾患ではなく医学的にはカゼ症候群と呼ぶ。熱が出て寒気がし、咳がでます。感冒、風邪。」と、書かれています。何のことかよくわかりませんね。そこで、もう少し具体的な症状を含めて書くと「ノドや鼻に炎症を起こし、セキ、ノドの痛み、鼻汁、鼻づまりなど上気道の症状および、熱、だるさ、頭痛など全身症状が出ること」です。少しわかりやすくなったでしょうか?次に医学書にカゼ症候群としてまとめられている一群に触れます。
カゼ症候群
 ウイルス、マイコプラズマ、クラミジア、細菌などに感染し上記の症状が出る病気の総称です。内訳は80〜90%がウイルス感染、10〜20%がマイコプラズマ、クラミジア、細菌感染などです。主なウイルスはライノウイルス 、アデノウイルス 、パラインフルエンザウィルス、RSウイルス 、コロナウイルス 、エコーウイルス、エンテロウイルス 、インフルエンザウイルスなどです。このうちインフルエンザウイルスは重症かつ流行性が強いので別に扱われています。これら、ウイルスがカゼ症候群の大半なので、細菌に有効な抗生物質は効果がありません。感染経路はセキをしたときに出る霧状のつばや鼻汁が原因

の飛沫感染や空中に浮遊しているウイルスを吸い込む空気感染、そして水ぼうそうなどの接触感染と、ノロウイルスのような胃腸炎につながる経口感染です。
 感染経路を遮断するために、うがいや手洗いマスクの着用が、カゼ予防として重要です。
 ところで、皆さんがカゼだと思っている病気は本当にこのような感染症なのでしょうか?残念ながらカゼだと思って医療機関を訪れる方のほとんどが、いわゆるこのカゼ症候群ではないのです。それではいったいなにか?本当に多くのカゼ症候群以外の病気をカゼだと錯覚しているので、それはこの病気ですと1つに絞ることはできません。そこで、カゼかなと思ったら、具体的な症状を順序立てて、いつから出てきたのか書き留めておきましょう。特に熱の有無と高さは重要です。周りに同じような症状の人がいるのかどうかも感染症を疑う場合、大切な情報です。また、カゼっぽい症状がどのくらい続いているかもカゼかどうか判断するよい材料です。一般に前述の感染症は1週間も2週間も続きません。(マイコプラズマを除く。)これらのことを踏まえて本当にカゼをひいているのかどうか、次に考えてみましょう。






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