すこやか生活

消化器の分類と位置づけ

 消化器系臓器は管状の消化管と、管の形をしていない実質臓器(塊のようなもの)に分かれています。消化管は口から食道、胃、十二指腸と続く上部消化管、小腸、大腸、直腸、肛門と続く下部消化管と2つに分類されています。実質臓器は、肝胆膵と呼ばれ肝臓、胆嚢、膵臓とつながった臓器です。消化管は文字通り食べ物が通る管で、順に消化、吸収、排便を行います。肝胆膵も、胆汁という脂肪吸収に役立つ消化液や膵液というデンプン質、タンパク質、脂肪を分解する消化液を分泌しています。
 さて、肝胆膵は消化管と異なり、消化吸収以外にも大きな働きをしています。肝臓は

体内の毒物を分解する解毒作用、炭水化物(糖質、デンプン質)や脂肪を貯める貯蔵作用、そしてタンパク質などを作る合成作用を行っています。また、膵臓はインスリンという体内の糖分を利用するホルモンの分泌を行っています。しかし、これら全く消化と関係ないような働きですが、体の中の大切な物質と不要な物質のさばきを行っているとも考えられます。このため、消化器管は形こそ違え動物性プランクトンからほ乳類までほとんどの動物に見られます。動物として体の仕組みが機能分化する最初の臓器の一つとも言えるでしょう。






口・食道疾患のQ&A

口が苦いのは胃が悪いの?
 胃が悪いわけではありませんが、胃酸(塩酸)が口へ逆流すると口が苦くなります。逆流した胃酸の酸度が強ければ胃潰瘍など胃を病んでることもありますが、たいがいは胃酸が戻ってくる途中の食道下端の痛みを胃痛と錯覚しています。これが逆流性食道炎と呼ばれる病気です。胃が悪いというより胃酸が悪さをしているというのが真実です。"舌が荒れているのは胃が悪いせいですか?"という質問もよく受けますが、これも同様に口の中に戻ってきた胃液によって舌に炎症を起こした舌炎で、胃自体が悪いわけではありません。
風邪を引いたから口内炎ができた?
 口内炎の代表がヘルペスと呼ばれる水疱です。これは体内に住み着いている普段はおとなしい単純ヘルペスウイルスが暴れた結果です。単純ヘルペスは風邪その他の病気で

体調を崩したり、過労や睡眠不足など体にストレスがかかってウイルスを抑え込んできた免疫力が低下した結果と考えられています。帯状疱疹も住み着いている水疱瘡のウイルスが同様の原因で暴れ出したものです。
口が渇くので水ばかり飲んでいる 脱水?
 口が渇く原因は二つあります。一つは水分が不足している脱水です。多いのは飲水不足、排尿過多(糖尿病や高齢者の薄い尿)などです。もう一つは唾液(つば)の量が少ないためです。原因は、シェーグレン症候群など唾液腺に炎症が起きて分泌量が減った場合、精神的な興奮など交感神経が緊張しすぎてノドがからからになった場合、そして薬で唾液の分泌量が落ちた場合です。主な薬剤は交感神経系を活発にするパーキンソン治療薬、副交感神経の働きを抑え胃腸の運動を抑え

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