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 アナフィラキシーが考えられる場合は早めに医師に相談し、今後の対策を練りましょう。基本はアナフィラキシーの原因食品を避けることです。そして、もしなってしまった場合は、すぐに最寄りの医療機関に駆け込むことです。
 近年、血圧を上げ、喘息の治療にも効果のあるエピネフリン(アドレナリン)の自己注射用のキットが使用可能になりました。
 さて、ハチ刺されは不可抗力ですが、食べ物アレルギーは避けることが可能です。アレルギーがあるのにざる蕎麦を食べたりピーナッツバターを塗る人はいないでしょう。問題になるのは何が入っているかわからない加工食品や外食です。
 そこで、
加工食品なら成分表示を極力確認してください。とくにソバアレルギーのある方は和菓子が要注意です。また、日本で生産された加工食品は比較的表示に信頼性がありますが、中国その他海外からの輸入食品は不充分な物も多いので、重症な方はできるだけ避けた方がよいで

しょう。
 外食される場合は必ず危ない食品成分が入っていないか確認してから食べましょう。予約する場合は、
原因食材を使わないで料理してもらうよう前もって頼んでおきましょう。
 幼稚園、保育園、学校給食でも必ずアレルギーの可能性のある食品は報告して避けてもらって下さい。
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
 ある食品を食べて2時間以内に運動すると、アナフィラキシーが出てしまうアレルギー性疾患です。原因食物は、エビ、カニ、小麦が大部分ですが、果物、野菜の方もいてまれに何を食べても運動すると出てしまう方もいます。
 運動はランニングや球技など運動量の多い物が中心ですが、散歩程度で出てしまう方もいます。入浴や飲酒など末梢血管が開く時に出る方もいるので、コリン作動性蕁麻疹と同様に自律神経も関与しているのでしょう。






食物アレルギーの治療

1)予防が第一歩
 食物アレルギーは起こさなければ治療の必要がありません。そこで、前述の注意事項を守って下さい。
2)原因食物を体外へ出す
 口に入れたモノは吐き出し、口の中をすすぎます。皮膚についた場合は洗い流しましょう。
3)抗ヒスタミン剤
 蕁麻疹などの比較的軽い食物アレルギーに有効です。また、くしゃみや鼻水など上気道の症状も改善します。エピナスチン、ニポラジン、ポララミンなどが代表です。

4)β-刺激剤
 喘息などで使う気管支拡張剤です。少し進んだ食物アレルギーで、セキや喘息が出始めた方に有効です。上述のエピネフリンの作用を一部もつ薬で、吸入など即効性のある薬が使われます。メプチンエアー、サルタノールなどが代表です。
5)ステロイド
 上記の薬と比較し即効性はありませんが、皮膚、呼吸器症状に続く二次的な症状の予防に使われます。プレドニン、メドロールなどが代表です。
6)エピネフリン(アドレナリン)
 アナフィラキシーショックの特効薬です。自己注射用のキットは現時点では、健康保険の適応外です。(自費)

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