心臓病を疑う症状と背景
@心不全症状息切れ・呼吸困難 体が酸素不足になり、ハアハアと呼吸が速く荒くなることです。健康でも、運動や、高い山の上などでは酸素不足になるため同じ症状がでます。酸素は、肺で取り込まれて血液に入り、赤血球のヘモグロビンと結びついて全身へ運ばれます。運ぶ力になるのが心臓ですが、肺炎や喘息、肺気腫などによる肺機能低下や貧血や一酸化中毒などによるヘモグロビン機能の障害などで同様な息切れや呼吸
困難が生じます。肥満による負荷の増大や、お腹に脂肪が付きすぎて深呼吸の邪魔になっている場合も病気がないのにこの症状が出ます。パニックになりやすい方の過換気症候群など、心理的な要因でハアハアすることもあります。 原因を整理して考えるために、心電図だけでなく、レントゲン検査、貧血検査などを行います。呼吸不全の程度をまとめたHugh-Jonesの分類を表に示しましたが、心不全でも見方は同じです。第2度以上に該当する方は要注意です。
むくみ(浮腫) 水を多量に含む血液を心臓が持てあまし、体に溜まった水がむくみです。貧血で血液が薄まったとき、心臓とつながる肺が傷み、呼吸不全を起こしたとき、ネフローゼや腎不全となり十分尿が出ないときなどにも体内に水が溜まりむくみますので、心臓かどうか見分けなければなりません。"水は低きに流れる"ということで、起きている間は足先へ溜まり靴がきつくなります。寝ている時は体が水平になるので、足先の水が頭の方まで戻ってくるため顔やまぶたがむくみます。
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水のような痰と咳 肺水腫と呼ばれる、肺が水浸しになった時の症状です。心不全が進んだ状態です。ここまで悪くなる前に病院を訪れる方がほとんどですが、希に我慢強い方などでは、肺が水浸しになって今にも息が止まりそうになってから来院されることもあります。