骨が脆くなる主な病気
骨粗鬆症の治療薬

 骨粗鬆症の治療は、骨折の危険率を下げ骨折の予防をすることです。骨の強さは骨密度である程度判断できますが、治療によって骨密度が改善したか判断できるほど厳密な検査ではありません。このため、ある薬を使うと、使わない人と比べどのくらい骨折の確率が減ったかという統計的な結果しか判断材料がありません。これから解説する薬は、薬の作用の仕組みがわかっており、実際に使ってみて統計的にある程度骨折が予防できたと考えられる薬です。
1)ビスフォスフォネート
 ボナロン、ベネットなどです。骨の新陳代謝の時、骨を溶かす作用のある破骨細胞の働きを抑え、骨量を増加させます。このため、骨密度の改善作用も見られ、中心的な薬として近年もっとも使われています。
 これらは、もともと腸での吸収が悪く、食事と一緒に飲むと吸収が益々悪くなるため、早朝空腹時に水と一緒に飲んでください。食道に薬がとどまると粘膜が荒れる可能

性があるので、飲んだら横にならないようにしましょう。また、早朝飲み忘れたら昼食の30分前に飲んでください。
 人によって胃腸症状が出ることもありますが、中断が必要なほどひどい方はまれです。
 効果が持続し、週一回でよい薬も出てきています。
2)ラロキシフェン
 女性ホルモンである、エストロゲンは骨を強くする働きがあり、以前から更年期障害や骨粗鬆症の治療に使われてきました。しかし、動脈硬化や乳ガンの発生率を増すため、最近は敬遠されています。このエストロゲンの骨に対する働きだけ取り出し、その他の作用を削った薬がラロキシフェン(エビスタ)です。女性ホルモンの作用を持つため、閉経前の女性に使っても効果はありません。閉経直後にエストロゲンが不足して体が冷えてしまうような方には良い適応です。年齢的には55才〜75才ぐらいです。

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