声のでき方
声は、気管から出たはく息が狭い通り道である声帯を振動させ、発生した音が咽、口の中、鼻、副鼻腔などで共鳴して出来上がったものです(ラッパ)。この経路のどこかに問題があると声はうまく出ません。これがいわゆる、声がれや構音性失語です。もう少し詳しく見てみましょう。はく息は呼吸と関係あるので、深い呼吸、勢いよく息がはけるほど大きな声が出ます。発声練習で腹式呼吸を訓練したり、「腹から声を出せ〜!」と号令がかかったりするのはそのためで
す。次に声帯の構造です。声帯は表面が粘膜でできており、口側の硬い粘膜と気管側の柔らかい粘膜の接点になっています。その裏側に硬い靱帯があって、そのまた裏に筋肉があり、これらが動いて声帯の形や張り具合を作って、どんな高さの音にするか決めています。声帯の振動数はそのまま声の高さになっています。そして、声の音色は声帯だけでなく、それより上の共鳴箱の部分の効果です。ハスキーボイス、鼻にかかった声とは共鳴箱で作られた音色の事です。
声の出方と声帯 (上から順に)
はく息で閉じている声帯を下から上へ押し上げる
声帯が下から開き始める
はく息は開いた声帯を振動させ共鳴箱(口など)へ向かう
声の終わりは声帯の下側から閉じ始める
完全に声帯が閉じる
声がれの仕組み
@声帯閉鎖不全 最初の位置で声帯がピシッとしまらず、空気が漏れて勢いよく声が出てこず、声がかれる状態です。主な原因は声帯にできた腫
瘍、反回神経麻痺など脳神経系の障害によって声帯がダランとして、ピシッと閉鎖できなくなります。声帯ポリープができた場合も同様です。
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