脳出血とクモ膜下出血の怖さ

　この２つの病気は、頭蓋骨の中のある一定の部分を血の塊が占領するので、周りの脳が押しつぶされて大きなダメージを被ります。突然死の場合あり、植物人間になってしまう場合あり、半身不随など重大な後遺症を残すことありで、出血を起こした方は不幸です。以下の症状は要注意です。
頭痛--クモ膜下出血では、ハンマーで殴られたような激痛で発症します。痛みはあっという間に起こりそのまま意識が無くなってしまう場合もあります。そこで今まで経験したことのない強い頭痛に突然見舞われたら、すぐ病院へ行く手はずをとってください。脳出血でも小脳出血を中心に30%程度に頭痛の自覚症状が出現します。いつものような頭痛が今日も起こった場合はかえって心配の必要がありません。

吐き気、おう吐---頭痛に伴い、これらの症状を呈します。これも頭蓋骨内に起こった出血で、頭蓋内圧が高まって起こる症状の一つです。偏頭痛でも、脳の動脈が広がり一時的に血流が増え頭蓋骨内の圧が上がるので吐き気、おう吐が起こりますが、出血では症状が激烈です。
めまい、けいれん、意識障害---これらの神経症状も出血の時はすぐ起こります。
クモ膜下出血は脳動脈瘤や、もやもや病が原因です。動脈瘤は脳ドックなどで時々見つかります。しかし動脈瘤破裂の確率と、手術で逆に麻痺などの後遺症が残るリスクを天秤にかけると、予防的な手術に踏み切るかは賛否両論があり、現時点ではどちらがよいか結論が出ていません。
　脳出血は高血圧が大きなリスクになりますので血圧の高い方は降圧剤などで下げておくと出血を起こす確率が少なくなります。