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NSAIDs(消炎鎮痛解熱剤)の服用の有無を確認します。NSAIDsによる潰瘍は、脳梗塞や狭心症の予防薬としてアスピリンが使われるようになって増加中です。潰瘍と診断された方で、もし、NSAIDsを服用していたら、直ちに中止するか他剤に変更します。リウマチなどで痛みが強く中止できない場合は、NSAIDs潰瘍の治療へ進みます。これは、PPI(タケプロンなど)やH2ブロッカーなど強力な胃酸分泌抑制剤とプロスタグランディン系の抗潰瘍剤(サイトテック、ロノックなど)を併用していきます。NSAIDsの服用が無い場合は、ピロリ菌の有無を調べます。診断法は、内視鏡で直接胃粘膜をほんの少し

とって顕微鏡で確認したり、尿素をアンモニアに分解するピロリ菌の性質を利用して、アンモニアの産生を調べます。吐く息でアンモニアの濃度を調べる呼気テストが用いられることもあります。もしピロリ菌がいるとわかったとき、除菌に使うペニシリンのアレルギーが無い場合、除菌治療に進みます。ピロリ菌がいても除菌治療の適応が無い場合は、一般的な非除菌治療へと進みます。なお、ピロリ菌は必ずしも除菌できるわけではありません。除菌できる確率は7割程度と考えて下さい。除菌できなかった場合は、現時点で保険で認められている有効な治療が無いため非除菌治療の方へ廻るのが一般的です。


EBMに基づく胃潰瘍診療ガイドラインから2003

ピロリ菌 胃潰瘍治療のガイドライン | ピロリ菌除菌治療の実際
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豊かさと逆流性食道炎(GERD) | 内視鏡治療の進歩