すこやか生活

糖尿病が疑われたら

 糖尿病の可能性がある人と糖尿病の人を加えた数がこの5年間に250万人も増え、糖尿病は国民病になりつつあります。実際に健診その他で見つかる糖尿病の新規患者さんがこれほどまで多いのかと言うのが開業後これまでの実感です。ただ、この中には10年も前から糖尿病の疑いがある、軽い糖尿病と言われていたと言う方も多く見られます。これらの方はこの10年の間にやるべき検査や治療を怠り、ずいぶん悪くしてしまっている事もあります。糖尿病は痛みや痒みなどの症状が乏しいため、診断されても今ひとつ治療に取り組む気がしない病気です。しかし、いったん症状が出たときは、脳梗塞を起こして半身不随に

なったり、眼底出血で失明したり、足がむくみ始め気がついたら腎不全になって一生人工透析を余儀なくされたりと悲惨です。また、心筋梗塞で突然死する場合もあります。このように残念な出来事を起こさぬためにも、糖尿病が疑われたらキチンと検査を行い、食事や運動の生活習慣を見直し、治療が必要な場合は真面目に取り組みましょう。
 糖尿病が疑われるときは、尿糖が出ている場合、血糖値が
110mg/dlを越えている場合、健診などでHbA1c5.8%以上の場合などです。このような方は糖負荷試験(75g-OGTT--36号参照)などを行い自分が現在どの程度の糖尿病なのか確認しその後の手を打ちます。






境界型糖尿病の考え方

 境界型糖尿病とは、正常と糖尿病の間のグレーゾーンです。空腹時血糖が110125mg/dl空腹時高血糖型(IFG)と、糖負荷試験の2時間値が140199mg/dl耐糖能障害型(IGT)および、この2つが合わさったものがあります。(図参照)境界型糖尿病は糖尿病性の網膜症、腎症、神経症など重い合併症が出ないので少し気をつければ良いだろうぐらいに従来は考えられてきました。ところがこの

中の耐糖能障害型(IGT)は、本物の糖尿病と同程度くらい、動脈硬化のリスクが高いというデータがそろってきました。具体的にいうと、IGT型の境界型糖尿病は、本物の糖尿病と同じくらい狭心症や心筋梗塞になりやすいと言うことです。もちろん脳梗塞も同じような傾向があると思われますし、IFGも糖尿病ほどではなくとも動脈硬化のリスクは高まります。従って、境界型糖尿病と言わ

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