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す。熱すぎるお湯は痒みを増すので、刺激にならない程度のぬるめのお湯もお勧めです。入浴剤の中には保湿効果のあるものもあり、使ってみるのも良いでしょう。「○○温泉の湯」のような入浴剤など体が温まるタイプのものは痒みが増すので逆効果です。
 体を拭くときもタオルでゴシゴシせず、皮膚を押さえるように優しく拭くようにしましょう。
2)保湿(皮膚をしっとり保つ)
 皮膚を清潔にした後は、水分を逃がさず油分を補充することが大切です。入浴後完全に乾燥し

てしまう前にクリームや軟膏、オイルなどを塗っておきます。以下が主な保湿剤です。ウレパールなどの尿素剤は角質内にしみ込み、角質のタンパク質と水分を結びつけます。ワセリンは、皮膚表面に油膜を作ります。ヒルドイドなどの保湿効果も有名です。その他、ツバキ油などの植物油、ザーネやユベラなどビタミンA含有軟膏なども乾燥した肌に潤いを与えてくれます。なお、保湿剤は雑菌が多いところに塗ると化膿を促すので、清潔にしてから塗るよう心がけて下さい。








軟膏とクリーム

 皮膚に塗る薬は主に軟膏とクリーム状になったものがあります。その他液状のローション、ゲル(ジェリー)、貼り薬もありますが、これらは少ないので省きます。
軟膏
 透明から半透明で粘性のある半固形物です。油の粒子の中に水溶性の成分がとけ込んでいる形のもので、水洗いでも落ちにくくベタつきます。乾いたところだけでなく、ジクジクした炎症の場にも使えるため、様々な皮膚の状態に使用でき、ステロイドや抗生物質の塗布剤のベースとして広く用いられます。その他、石油から作られる高分子炭水化物のワセリンも油分に富む半固形物であ

り、様々な軟膏のベースとして用いられます。ワセリンは皮膚の保護、軟化の他、炎症を静める弱い効果もあるため、軟膏のベースとしての他、単独でも保湿剤として用いられることもあります。
クリーム
 乳化剤によって、水の中に油分を微粒子として懸濁させたものです。軟膏に比べベタつかずノビが良い反面、水洗いで落ちやすく、時に皮膚を刺激してしまうこともあります。角質層に覆われた湿疹などの皮膚症状に用いられますが、ジクジクした皮膚には使われません。ステロイドや水虫の薬のベースとしてよく用いられます。

皮膚の構造と働き
やけど(火傷または熱傷)しもやけ(凍瘡)と凍傷
冬のスキンケア  軟膏とクリーム