やけど(火傷または熱傷)

 熱で皮膚を傷めてしまうのが火傷です。冬場はアンカ、ストーブ、やかんなど火傷の原因と接する機会が増えます。火傷はその程度と面積で重症度が決まります。
1度表皮熱傷:赤く乾燥した感じになり、灼熱感や痛みを伴います。一週間程度で治り、後遺症を残しません。
2度真皮浅層熱傷:鮮やかな赤みや
水ぶくれ、むくみなどが特徴。痛みが強く3週間程度で痕を残さず治ります。
3度真皮深層熱傷:赤みの一部が蒼白となり、神経がマヒして痛みを感じなくなります。そして、傷を負った部分が崩れ落ち潰瘍となります。一ヶ月以上かかって治りますが痕を残します。
3度皮下熱傷:真皮の下の皮下組織まで焼けただれてしまいます。白く腫れたり、黒褐色のかさぶたで覆われます。治りにくい潰瘍

になり、自然に治る事は少なく植皮の対象になります。なお、炭のように黒こげになる事を4度熱傷と呼ぶ事もある。
 2度の熱傷が15%以内、3度なら2%未満でしたら外来治療も可能ですが、それ以上だと全身状態が悪くなるので入院治療になるため、軽く考えてはいけません。
(応急処置)やけどをしたら、すぐ流水で冷やしながら洗う事です。やけど部位に衣服がくっつかないように脱いで、痛みが取れるまで30分でもそれ以上でも洗って下さい。やけどが3度以上だったり、面積が広い場合はすぐ医療機関を受診して下さい。やけどは思ったより重症な事が多いため、受診すべきか迷うぐらいの場合はできるだけ医師に診せた方が良いでしょう。治療は消毒などの局所治療中心で、中等度以上の場合は点滴や抗生物質が使われます。





しもやけ(凍瘡)と凍傷

 我々が子供の頃は、毎年冬になるとしもやけができ、痒みに悩まされました。近年は、暖房の普及や地球温暖化のためか、しもやけと言う言葉自体が死語になった感がありますが、ノスタルジーに浸りながらまとめましょう。
しもやけ(凍瘡):気温3度程度の寒冷刺激が反復すると、動脈、静脈が収縮、弛緩を繰り返します。動脈は暖まるとすぐ弛緩します

が、静脈は収縮の解除に時間がかかるため、静脈に流れきれなかった血液の液体成分が血管外に出てむくみ、痒くなります。温めた後ほど痒くなるしもやけの特徴は、この温度変化のなせる技です。
凍傷:低温によって体の末端が凍ってしまうことです。ウインナーを冷凍庫に入れるとどうなるか想像して下さい。実際はあんな感

(3 ページに続く)

皮膚の構造と働き
やけど(火傷または熱傷)しもやけ(凍瘡)と凍傷
冬のスキンケア  軟膏とクリーム