|
|
|
|
|
|
(1 ページから続く)
く見えます。そして中心やや左寄の下側に白く丸っこい塊があり、これが心臓で大きさや形をみます。心臓の上部で首の方に向かって細くなっている部分は大動脈弓と呼ばれる場所です。大動脈はまず心臓から頭の方に出てループを作り、足の方へ下りていきます。動脈硬化による石灰化や大きくふくらみすぎた大動脈瘤などを調べます。心臓の上の方からは肺動脈が出て、肺の方へ血液が流れてゆきます。肺で二酸化炭素を体外へ出し酸素を取り込んだ血液は、肺動脈を通って心臓に戻ります。左肺の下に黒く丸い物が写りますが、これは飲み込んだ空気が胃のてっぺんに溜まっている胃胞と呼ばれるガス像です。骨は両側の腕を支えている鎖骨、肺を取り囲んで守っている肋骨、そして心臓の裏で若干見えにくいですが胸椎(胸の裏にある背骨)が見えます。レントゲンでは骨折像やつぶれたり変形している様が写ります。
最後に肺です。まず肺の周囲を見ると周辺部にギザギザした白い筋状物が写っている場合、肺を包んでいる胸膜が分厚くなっている事を示します。大概古い結
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
核などの炎症の傷跡です。細かい砂や小石状の石灰化が写っている場合も同様です。ちなみにアスベストによる胸膜中皮腫は、この肺を包んでいる膜がガン化したものです。右側の肺の真ん中やや上側に、少し上が凸状になった曲線が写ります。これは右肺の上1/3と中1/3を隔てる境界です。これがひん曲がったり、上の方へ引っ張られたりした場合、肺の上部に以前炎症を起こした証です。心不全などで肺に水が溜まると横隔膜の上方に水と空気(肺)との境界面が現れます。いわゆる胸水と呼ばれるものです。肺の中にベトッとしたグレーの影が広がる場合肺炎を疑います。ザラザラしているように見えることもありますが、肺炎でも原因によって様々な見てくれのものがあるからです。
肺ガンは通常丸っこくパッチリ写った像として肺の中に認められます。肺炎の影に隠れ、その原因になっている場合もあるので、肺炎が治るころ、治った後で数回レントゲンを撮り直し、肺ガンらしい影が残っていないか確認する事も大切です。
|
|
|
|
|
|
|