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 まずはうつの有無から。眠れない、体のあちこちが痛い、物事に興味がわかなかったり集中力を欠いたり、やる気がわかなかったりするのが見つかるきっかけです。何となく落ち込むような気持ちになる場合もあります。また、現在置かれている仕事や家庭の現状を洗い直すことも必要です。Cの働き過ぎもこれらの話を聞くうちに浮かび上がってきます。そして次に

内科的疾患の有無は我々の出番です。一般的な血液検査などから始め、体自身に問題がないか明らかにすることにより、Bの病気が潜んでいるのではないかという心配も解消されることでしょう。このようなアプローチで時間を追って疲労の原因や状態を調べていきます。疲れているなと思ったら、まずはこれらの事を整理した上で体の問題の有無について相談してください。


慢性疲労症候群

 最近時々耳にする言葉ではないでしょうか?簡単に定義すると、6ヶ月以上継続する激しい疲労感、微熱、リンパ腺の腫れ、脱力感、筋肉や関節の痛みや精神症状のため、健康な日常生活を送れない病状です。このうち、明らかな器質的疾患(前述)の無いものを慢性疲労症候群と呼びます。この疲労は頑固で、短期間の休養ではなかなか回復せず、寝込んでしまうこともあるほどです。精神的な症状としては、物忘れ、思考力低下、集中力低下、抑うつ、イライラ感などや不眠などがよく見られます。熱や痛みなど体のどこかで炎症を起こしている症状を反映して、免疫やホル

モン機構、脳神経機能に異変をきたしています。この慢性疲労症候群の本当の原因や疲労が長引く仕組みは明らかではありませんが、図の様な成り立ちが考えられています。少しわかりづらいかと思いますが、ストレスが神経系に作用し、同時にウイルスなどの微生物の働きが重なって副腎皮質ステロイドが低下したり、インターフェロンを含んだ様々なサイトカインが産生されます。ステロイドは元気の源なので、不足すると元気を失います。サイトカインは局所で働き、熱を出したり関節や喉の痛みなど風邪のような症状を起こします。また、ドーパミンや

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疲労とは何か? 疲労の主な原因
慢性疲労症候群  ヘルペスウィルスと疲労  
オーバートレーニング症候群 疲労に関する病気