肝臓の画像検査

 テレビモニターの画面や写真で見る検査を画像検査と呼びます。
1)超音波検査(エコー)
 肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓などを手軽に観察できるので、肝臓周りでは画像検査の王様とも言えるでしょう。肝臓内にできているガンや血管腫、のう胞、石灰化などがよくわかります。また、肝臓内の胆管が広がっていれば、胆汁の流れをせき止める総胆管結石や胆管ガンなどを発見する糸口になります。胆嚢では胆石やポリープ、ガンなど、膵臓ではガン、膵炎などがわかります。そして、腎臓では結石やのう胞などが診断できます。これら、何かが臓器内にできているといったもの以外、肝臓の大きさ、左右差、内部や辺縁がキレイで滑らかか、ザラザラ、デコボコしていて肝硬変らしいかなどもエコーでわかる大切な所見です。さらに、お腹に水が溜まる腹水の有無などもよくわかります。また、食道静脈瘤へ流れる拡張した血管が見える事もあります。リアルタイムに画面を見ながら針先の位置を確認できるので、ラジオ波で肝臓ガンを焼いたり、肝臓に針を刺し

細胞を採ったり、胆管に管を入れたり等、肝臓病の診断治療に必要な処置をする水先案内としても不可欠です。このように超音波はとても情報量が多く手軽なため、肝臓病を診る聴診器と言っても過言ではないでしょう。
2)CT検査
 レントゲンを使って体の輪切り像などを作る検査です。コンピュータのスピードが年々速くなったので、立体画面や針を刺す処置をしながら撮影することもできるようになりました。造影剤を注射し肝臓にコントラストを付ける事ができるので、肝臓ガンの治療判定などでは不可欠です。
3)MRI
 体に磁場の振動をかけてそれに共鳴する仕方により画像を作ります。当初よりだいぶ進歩してきましたが、まだCTの補助的検査です。
4)血管造影
 足の付け根から細い管を肝動脈まで入れ、造影剤を注射し、肝臓の染まり方や血管の状態を調べる検査です。管からは薬を注入する事もできるため、肝臓ガンの診断や治療に使われます。






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