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胞を使ってワクチンを作る方法が研究されています。現在のところまだ一般に使えるワクチンは出来上がっていません。治療薬、予防薬としてはタミフル、リレンザなどが使われています。一応効果はあるようですが、人で実験するなどの研究は危険でできないため、本当に有効なのか確実

なところはわかりません。また、A型ですのでシンメトレルも効く可能性がありますが、先年香港で流行った鳥インフルエンザはシンメトレルに耐性がありました。これらの薬がある程度備蓄され、流行の兆しがあるときに安定供給されれば、なんとか惨事を回避できると思われます。

牛海綿状脳症(BSE,狂牛病)






 ウイルスではなく、プリオンというタンパク質が神経、脳に感染し増えていく間に脳細胞を壊してゆき、脳が海綿(スポンジ)のようにスカスカになって、痴呆などの精神症状や神経症状が出て命を落とす病気です。このタイプの病気は人食いの習慣が有った地域のクールー病やクロイツフェルドヤコブ病(CJD)が知られており、10年単位でゆっくり進行するため、60歳代と比較的高齢者に多く見られました。ところがBSEは年単位で発症進行するため、多くの患者が見られたイギリスでは平均発症年齢は20歳代と若年

でした。幸い、BSEはプリオンをもらった人全てに発症するわけではなく、10数万頭のBSEに感染した牛が出回ったイギリスでも発病者は毎年10〜20人程度とごくわずかです。しかし、いったん発症してしまうと人生台無しで、治療のすべは全くありません。まさに、廃人になるといった感じです。今後も引き続き、国レベル、国際レベルでの厳重な監視体制と、感染エリアからの持ち込みを水際で止めることが重要になります。

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