(3 ページから続く)
胞を使ってワクチンを作る方法が研究されています。現在のところまだ一般に使えるワクチンは出来上がっていません。治療薬、予防薬としてはタミフル、リレンザなどが使われています。一応効果はあるようですが、人で実験するなどの研究は危険でできないため、本当に有効なのか確実
牛海綿状脳症(BSE,狂牛病)
ウイルスではなく、プリオンというタンパク質が神経、脳に感染し増えていく間に脳細胞を壊してゆき、脳が海綿(スポンジ)のようにスカスカになって、痴呆などの精神症状や神経症状が出て命を落とす病気です。このタイプの病気は人食いの習慣が有った地域のクールー病やクロイツフェルドヤコブ病(CJD)が知られており、10年単位でゆっくり進行するため、60歳代と比較的高齢者に多く見られました。ところがBSEは年単位で発症進行するため、多くの患者が見られたイギリスでは平均発症年齢は20歳代と若年
でした。幸い、BSEはプリオンをもらった人全てに発症するわけではなく、10数万頭のBSEに感染した牛が出回ったイギリスでも発病者は毎年10〜20人程度とごくわずかです。しかし、いったん発症してしまうと人生台無しで、治療のすべは全くありません。まさに、廃人になるといった感じです。今後も引き続き、国レベル、国際レベルでの厳重な監視体制と、感染エリアからの持ち込みを水際で止めることが重要になります。