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何となく具合が悪いとき、周りの人から「自律神経失調症でしょう。」と言われると、この病名の妙に説得力のある魔力に幻惑され、そうかなと納得されてしまう方が多いようです。我々医者も皆さんに質問されて面倒くさくなると、「自律神経から来ているかもしれませんね。」と、曖昧な答え方をしてしまうことがあります。しかし、いったいどれだけの方が本当に自律神経を理解しているのかお寒い限りです。今月はこの自律神経とは何かをわかりやすく説明し、皆さんの様々な症状との関連を理解して頂くのが目的です。 自律神経とは、自律という名の通り自分の意志ではなく、体の中の自動的な活動を司る神経です。この活
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動は、手足に付いているような横紋筋ではなく、内臓や血管、分泌腺などに付いている平滑筋という筋肉の運動によって成り立っています。自律神経はこれら平滑筋を動かしたりゆるめたり相反する方向の運動を操っています。この正反対の働きをする二つの神経を、交感神経と副交感神経と呼びます。さて、自律神経失調症とは、これら交感神経と副交感神経のほどよいバランスによって行われている日常動作が不自然になり、どちらかの神経が働きすぎてしまい、普段気が付かない自然な内臓などの活動を意識し不愉快に感じてしまう病気です。これではまだわかりにくいですね。両神経の働きを少し詳しく見てみましょう。
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