交感神経

 交感神経は日中の活発な動作の源になる神経です。人は目が覚めると交感神経が副交感神経よりも活発になり、体がシャキッとして様々な活動を行うことができます。目の瞳孔は開いてより多くの視覚情報が脳に入るようになります。また、目がよく見えるように涙の分泌が減ります。より多くの空気(酸素)が吸えるようになるため、気管支を取り巻く筋肉がゆるみ、その内径が広がります。そ

して、活発な活動に則して全身に血液を送るため、心臓がドキドキとより一層働きます。血圧も上がります。このように交感神経は心身を興奮状態に置き、とっさの対応が必要なときにも備える体制を作ります。また、活動中に排尿や排便があってはならないので、膀胱の筋肉はゆるみ尿の貯留量が増えたり、肛門括約筋が締まって脱糞が起こらないようにしています。



副交感神経

 副交感神経は交感神経と正反対の働きをしています。夜寝るときは光りが入らない方がよく眠れるので、瞳が狭まり、寝ている間に目が乾いてしまわないよう涙の分泌が増します。寝ている間は特にたくさんの空気(酸素)は必要がないので、気管支平滑筋が締まり気管支内径が狭まります。休んでいるときは血液の循環量は少なくてすむので、心臓の働きはゆっくりとなり、脈拍数が減ります。血圧も下がります。この休息時間に、胃腸は活発になり、食べ

物を効率よく消化、吸収します。また、膀胱の筋肉が活発に働き、肛門筋の弛緩によって、排尿や排便を促します。これらのことより副交感神経は、眠ったり、自宅でのんびり体を休めるときに適した体の状態を作ります。このように、食事(消化や吸収)、排泄(排尿や排便)、睡眠など、体のメンテナンスに必要な生命を維持するために大切な作業を司っているのが副交感神経です。

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自律神経のバランスは綱引き 自律神経の主な機能と体の反応
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