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メタボリックシンドロームは図のようにして起こってきます。現代人特有の運動不足、過食、飽食に加え、人によっては遺伝的に太りやすいといった素因も重なって、肥満になります。皮下脂肪も溜まりますが、胃腸の周りなどお腹の内側に内蔵脂肪として主に脂が蓄積します。これは元々あった脂肪細胞が脂肪を蓄え太ってきます。さて、つい最近まで、脂肪細胞は食べたものの余りを貯金しておくだけの貯金箱のような細胞と考えられていました。ところが、脂肪細胞には、様々なホルモンを作る働きがあることがわかってきました。アディポネクチンは、このホルモンの一つで、動脈が傷ついたところに動員され、そこで動脈硬化を防いだり、血圧をあげない方に作用します。さて、内臓脂肪として太った脂肪細胞は不活発になり、アディポネクチンなど重要なホルモンの分泌をサボるようになります。ちょうど、人が太ってくると何もやりたくなくなり、家事や仕事をさぼりがちになるのと似ています。アディポネクチンの不足は動脈硬化を助長し、血圧を上げます。
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また、アディポネクチンはインスリンの働きをよくするホルモンであるため、不足するとインスリン抵抗性が助長されます。そして、高脂血症や高血圧が加わり、心臓(冠動脈)の動脈硬化を起こします。こうして狭心症や心筋梗塞の原因となるのです。そのほか脂肪細胞は、食欲を減らしてエネルギー消費を増し体重を減らすレプチンというホルモンを分泌したり、炎症を起こすTNF-αを分泌します。肥満はレプチンの働きを弱めます。このため食欲は減らず、エネルギー消費も落ちて悪循環に陥ります。また、TNF-αは血管内腔などに炎症を起こし、動脈の内側がボロボロになり、その修復過程において動脈硬化を引き起こします。 少しわかりにくかったと思いますが、肥満を中心とし、様々な因子が加わり、肥満の本体である脂肪細胞が大きく関与しながら動脈硬化を起こしていくのがメタボリックシンドロームの実態です。
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