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メタボリックシンドロームとは聞き慣れない病名かと思いますが、直訳すると代謝症候群になります。代謝症候群ではますますわかりにくいのですが、今のところ適当な日本語訳が無いため英語読みがそのまま使われています。これは、内臓肥満、インスリン抵抗性、低HDLコレステロール血症(善玉コレステロール不足)、高中性脂肪血症、高血圧など、動脈硬化の原因になる様々な原因が重なり合って、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を起こしやすい状態を指します。動脈硬化先進国アメリカではこの定義に当てはまる大人は22%にものぼると言われています。これらの人々は健康な人に比べ、虚血性心疾患を起こす確率が3倍高いと言われています。枠内の基準はアメリカのものです。体の大きさが日本人と異なるため直接は当てはまりませんが参考までに。
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さて、ここまで読んでみて、この話どこかで聞いたことがあると思われた方は鋭いです。メタボリックシンドロームという言葉自体は目新しいものの、内容は生活習慣病といわれる一連の病気と変わりがありません。高血圧、糖尿病、高コレステロールといった病気は、悪い生活習慣が原因なので、生活習慣を直していきましょうという線でまとめたものが生活習慣病の概念です。これに対し、動脈硬化による虚血性心疾患の発作(心血管イベント)の起こりやすい原因をまとめて考えようというのがメタボリックシンドロームの考え方です。切り口を変えただけですが、漠然と一つ一つの病気をバラバラに対応するのではなく、心血管イベントを起こさないと言う目標を立て、それに向かって様々な要素をまとめて解決しようと言うわけです。名前は奇っ怪でも目標が明快なので、方針も立てやすく、意外によい切り口かもしれませんね。
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