中枢性のめまい

 体のバランスを感じ取る脳の部位が壊れてめまいを感じるのが中枢性のめまいです。通常揺れるような感じで、グラグラする、ユラユラするなどふらつきを感じます。クルクル回るという感じはまれです。原因は脳の循環不全、腫瘍、炎症です。

A)椎骨脳底動脈循環不全
 脳幹(中脳、橋、延髄)や小脳に血液を送る動脈が硬化し、内径が狭くなり、血液循環が悪くなった時に一時的に起こるめまいです。数秒から数分程度のことが多く、心臓の狭心症に似たメカニズムです。高齢者に多く、高血圧や糖尿病などがある場合はその治療が必要です。
B)脳梗塞(脳幹や小脳)
 椎骨脳底動脈の枝が詰まって起こる脳梗塞です。A)と重なりますが、ろれつが回らなかったり、手足のしびれを伴う時は、脳梗塞などの可能性もあるため、MRIやCTで脳の状態を調べる必要があります。バッファリンやパナルジンなどで血液をサラサラにする治療が行われます。

C)小脳出血、脳幹出血
 めまい、吐き気に加え、強い頭痛を感じます。出血が広がると意識が無くなり危険なので、疑わしい場合は大至急、CTなどの頭の検査が必要です。

D)腫瘍(聴神経腫瘍、後頭蓋窩腫瘍)
 できる場所によって異なりますが、通常揺れるようなめまいが長く続きます。症状はゆっくり発症し、徐々に強くなります。
E)その他
 脊髄小脳変性症、多発性硬化症、薬物などが原因となることがあります。






心身症とめまい

 前述の様々なめまいの原因がなく、不安やストレスがめまいの原因となっている場合です。通常回転性や動揺性の症状がはっきりせず、何となくフラフラして気分が悪いなど、めまい症状は漠然としています。一度起こったメニエールなどが不安で仕方がなく、いつまでもめまいが取れないと訴えられる方もいます。パニック障害などの場合は、フワフワしたり気が遠くな

る感じのめまいに加え、ドキドキしたり、ハアハアしたり汗をかくなど自律神経の症状を伴います。ハアハアしすぎて過換気になるとけいれんが始まり意識が無くなることもあります。うつ病の一つの症状としてめまいを訴える場合もあります。いろいろ調べてもなかなか解決できないめまいの方は、精神的な方面からのアプローチも必要です。

様々なめまい | 失神と立ちくらみ (脳循環不全)|
回転性のめまい(末梢前庭神経のめまい) |
中枢性のめまい・心身症とめまい