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吸いこんだ空気は、鼻から喉、気管、気管支を抜けて肺に到達します。この通り道に起こるアレルギー性疾患の代表が花粉症などのアレルギー性鼻炎と気管支喘息です。この2つの病気は、耳鼻科と呼吸器内科の教科書に分かれて載っており、各々別の部門の医師達によってまったく別の視点で研究されてきました。縦割りの組織の中で、この2つを結ぶ接点は無く、わずかに現場の臨床医がどうやらこの2つは関係あるらしいと気づいていました。しかし最近ではこの2つを一連の疾患としてとらえようという動きがでてきて、アレルギー性鼻気管支炎などと呼ぶ人もいます。アレルギー性鼻炎の定義は曖昧で、データの取り方にばらつきがありますが、成人の喘息患者の78%に鼻炎症状がある、小児の未治療のアレルギー性鼻炎患者のうち約50%が数年以内に喘息になったなど、この2つの病気の関係は親密で、アレルギー性鼻炎と喘息は特徴的
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な1つの病気の2つの側面を見ているに過ぎないと言う説もあります。この傾向は特にお子さんに強いようです。成人の喘息患者には、アレルギーだけでなく数ヶ月前に説明したCOPD(閉塞性肺疾患)などの要素も混じっているため単純にこの関係だけでは説明しずらいようです。 さて、喘息は、アレルギーのある時期に悪化することはよく知られています。スギ花粉症も例外ではありません。スギの花粉は直径30μmと大きいため、ほとんどが鼻などで捕捉され、細い気管支には到達できないと考えられてきました。鼻自体のフィルター機能で気管支が守られるわけです。しかし、このスギ花粉の表面に付着している約1μmの花粉成分は鼻のフィルターを通過して気管支に到達します。これがアレルギーの原因となり、喘息を起こすのです。また、鼻づまりになると、鼻呼吸から口呼吸に変わるため、吸気
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