C)アキレス腱の肥厚
 アキレス腱の太さが概ね15mm以上あれば、肥厚といえます。
 これらは皆、コレステロールなどの脂肪が皮膚や、腱に付着したものです。皮膚に出来たものは、外見上美しくないだ


けで、あまり問題はありません。しかし、これらは、同様のものが皮膚だけに限らず全身に出来ているサインなのです。例えば血管の内腔にも同様な塊が付着していることを想像して下さい。血管の中では最初ブヨブヨした塊のままでいますが、徐々に硬くなり、セメントのようになって内腔を狭め、循環障害や脳や心筋の梗塞をおこします。
 さあ、いかがでしょうか?ご自分の体をチェックしていただき、これらのことに思い当たる方は是非お知らせ下さい。






コレステロールの治療薬

 高コレステロールの治療は食事、運動、そしてコレステロールを下げる薬の三本だてです。薬は最後の手段と思われがちですが、食事や運動には限界があるため実際はこれが治療の中心になります。

1)スタチン系
 メバロチン、リポバス、リピトールなどが代表です。これらは肝臓にあるコレステロールを作る酵素の働きを抑え、生産量を下げます。それまであまり有効な薬がなかった10数年前にメバロチンが発売になったときは、本当にコレステロールが下がるので、我々皆が驚いたものです。その後より強力な薬が順番に発売され、使う量にもよりますが、それぞれ、およそ10〜20%、20〜30%、30〜40%程度コレステロール値を下げると考えられています。これらの薬は、冠動脈硬化症(狭心症や心筋梗塞)、脳動脈硬化症(脳梗塞)の予防や治療の中心で不可欠な薬となっています。
 あまり目立った副作用はありませんが、時に肝細胞や筋肉細胞が軽い傷害を受けることもあります。これらは自覚症状として出ることはありませんので、服用開始後一ヶ月を含め時々血液検査でチェックしておく

ことが推奨されています。なお、薬の効果は一ヶ月後には現れており、薬を中断するとやはり一ヶ月後には、使用前のコレステロール値に上がります。このためコレステロール値を低く保つ必要のある方は、キチンと続けて下さい。
2)陰イオン交換樹脂
 肝臓でコレステロールから作られる胆汁酸は、十二指腸へ分泌され、小腸から再度吸収され、再び肝臓に戻ります。この胆汁酸とくっつきそのまま便へと引っ張り出すのがコレスチラミンやコレバインなどこれらの薬です。このためどんどん肝臓のコレステロールが消費されコレステロールが下がります。この薬は飲みにくく、お腹が張ったり便秘したりと不愉快な胃腸症状がでやすいため、スタチン系を使っても不充分な場合や、スタチン系が使えないときに使用されます。

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