頭痛

 目、鼻、耳、歯を除いた頚から上が痛む事を頭痛と呼びますが、場所、痛み方、原因などはまちまちで、腹痛同様1つの単語であること自体が無理な言葉です。頭は外側から、表面の皮膚、皮下の筋肉、そして頭蓋骨があり、その内側にがあります。頭痛が起こると誰しも脳に異変が起こっていると考えがちですが、これらどこに問題が

あっても頭痛は起こります。頭の皮膚が帯状疱疹の神経痛を起こした場合、肩こりから来る緊張性頭痛、頭蓋骨の骨折や顎関節症など骨の問題などです。もちろん脳腫瘍やクモ膜下出血など脳の中の病気もあります。頭痛がしてもあわてなくて済むよう、基本的な知識を身につけることが今月の課題です。






様々な頭蓋内出血

 頭の中で出血すると、溜まった血の塊が脳を圧迫して脳細胞を傷めるため極めて危険です。代表的な3つの頭蓋内出血をまとめましょう。

A)クモ膜下出血
 ご存じのように脳血管の動脈瘤が破れて起こる出血で、比較的太い動脈から吹き出るように出血するので頭痛が始まってから急速に悪くなり、半分は直後に死亡するか手術もできず植物人間になります。運の良い
20%30%が何とか社会復帰できるだけです。頭痛は今まで経験のないくらいの痛み、バットで殴られたような痛みなどと表現され、吐き気、おう吐、意識消失など次々と脳や神経の症状が出てきます。動脈瘤は脳ドックなどでも見つかりますが、動脈瘤があっても実際に出血するのは1%にも満たないため、手術後の後遺症を考えると、見つかってもやたらに手術をしないのが近頃の考え方になっています。上記の症状があれば、夜でもいつでも速やかに救急車を呼んで病院に駆け込んでください。なお、二十歳以下の方でもモヤモヤ病という血管の奇形からクモ膜下出血を起こすこともあるので若い方でも油断できません。

B)脳出血
 高血圧が原因で、脳の血管が切れて起こる出血です。大脳の中心の両脇(視床、被殻)の左右どちらかに出血するので、左右どちらかの手足が利かなくなるマヒ症状が出ます。クモ膜下出血ほど急激ではありませんが、出血量によっては死亡につながりますので、マヒなど神経症状を伴う頭痛は要注意です。また、高血圧のある方は降圧剤をキチンと服用し続けることが脳出血の予防になりますのでくれぐれも飲み忘れないよう気をつけてください。
C)慢性硬膜下血腫
 頭蓋骨内壁と脳との境にゆっくりと血が溜まる血腫です。通常3週間以上をかけて溜まるため、何となく頭痛がしたり、体の動きが悪くなったり、ぼけてきたなどの症状で発見されます。中高年の男性が
90%を占め、アル中など多量の飲酒者に多く見られます。原因は頭部の打撲で、加わった衝撃が軽くても起こります。自分の頭蓋骨と脳がぶ

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