真菌症
お餅についた青カビ同様、ジメジメして暖かい場所は、人に取り付くカビにとっても過ごしやすい環境です。人につく代表的な3つのカビ、白癬、デンプウ、カンジダについてまとめます。
A)白癬菌症 言わずとしれた水虫が代表です。できる場所で名前が違ってきます。足のユビの間や足の裏--水虫ユビの爪-----ツメミズムシ胸や腹おしり-------タムシ股間-------インキンタムシなどです。その他、頭のてっぺんにできたり、皮膚の深いところにできることもあります。 水虫---足のユビ(趾)の間、特に小ユビと薬ユビの間によくできます。皮膚が薄く剥けたり、白く濁ったりしてはがれ、ジトジトしてきます。小さな水ぶくれを作ることもあります。また、かかとにできる水虫は白く硬くなって、分厚く乾いた皮膚に、鏡餅よろしくひび割れを起こすこともあります。かゆいので引っ掻いているうちに雑菌が入り、二次感染を起こして、蜂窩織炎となり、膝から下全体が化膿して高熱を出すこともあります。また、爪が水虫になると塗り薬だけでは治りませんので、内服薬による対処が必要です。
タムシ---おへその廻り〜その下、股の付近、太股の内側などに赤いプツプツができて、徐々に外側へ広がります。赤いところ、水ぶくれ、薄皮が剥けたり白くなったりしながら、全体としては環状やC字型になります。通常は正常の皮膚との境がハッキリしています。 白癬の治療の中心はエンペシドやニゾラールなどイミダゾール系と呼ばれる軟膏やクリーム、水性のチンキが中心です。これらを塗るとすぐよくなりますが、カビはしぶとく生き残っています。適当に治療を中断すると、来夏また水虫に悩まされたり家族にうつすことになります。一夏辛抱して、秋になるまでしつこく薬を塗り続けましょう。なお、爪など少し深く入り込んだ白癬菌は外用薬だけでは治りません。皮膚科のドクターと相談しながらイトリゾールなどの内服薬を長期間服用してください。
B)デンプウ(癜風)服に覆われているところ、皮膚と皮膚が常時くっついているところなどによくできます。頚や胸、背中や脇の下、女性の乳房の下、二段腹の段になっているところなどです。茶色のシミのような感じで比較的かゆみも弱いので、気がつかないことも多いのですが、茶色
の皮膚のところにはちゃんと癜風菌がいます。シミや湿疹かと思って、副腎皮質ステロイドの入った軟膏を塗って、かえって広げてしまっている方もよく見られます。治療は水虫同様イミダゾール系抗真菌剤の塗り薬です。
C)カンジダ乳児寄生菌性紅斑----オムツをつけている乳児の陰股部、下腹部、臀部にできます。オムツが当たってできるオムツかぶれと違い、当たっているところより、皮膚のしわで皮膚と皮膚がくっついているところにできます。 カンジダ性指間びらん---主婦や水仕事をするかたの指の間にできます。これらは局所をいつも乾燥させることで予防して下さい。治療は水虫と同じです。
口腔カンジダ(鵞口瘡)-新生児、免疫不全者、喘息でステロイドを吸入している方の口の中に淡雪のように生えるカンジダです。口腔内を清潔に保ち、口腔用のファンギソンシロップで治療します。 書いているだけでかゆくなってきたので、ここでお仕舞いにしましょう。