夏に多いじんま疹(コリン作動性じんま疹)

 夏は湿気が多くカビが生えやすい上、雑菌も繁殖し易いため、引っ掻いたところが膿みやすく皮膚にはつらい季節です。今回は、夏に多い皮膚病を取り上げます。

蕁麻(じんま)疹とは
 蕁麻疹の定義は、一時的に出て消える、痒みを伴う紅斑や膨疹です。1つ1つは図のようにヒスタミンによって拡張したり透過性が上がった毛細血管から水分やタンパク質などがしみ出て蚊に喰われたような膨疹を形成します。蕁麻疹ではこのような膨疹が、全身やある程度広い範囲にたくさんできます。


 蕁麻疹の原因は様々あり、食物などのアレルギー、物に接触してできる蕁麻疹、そして日に当たってできるものや寒冷刺激に反応してできるものなどが有名です。そしてもう一つ忘れてはいけないのが、夏に多いコリン作動性蕁麻疹です。


コリン作動性蕁麻疹
汗をかくと、その場所にプツプツできてくる膨疹で、通常発汗後2〜10分で出始め、30〜60分ほど持続します。運動負荷や体を温めたり、精神的なストレスが原因になることもあります。自律神経のうち、コリン作動性で汗腺を刺激する神経末端から出る、アセチルコリンが蕁麻疹に関与すると考えられています。
 治療は汗をかかないことですが、夏はそうもいきません。


クラリチンやアレジオンなどの抗ヒスタミン剤を服用しておけば、蕁麻疹ができにくくなり夏を快適に過ごすことができるでしょう。10歳以上のお子さんや、若者に比較的多く見られます。基本的に心配ありませんし、涼しくなると 自然と良くなるので調子を見て薬を使っていきましょう。もちろん翌年必ず出るとは限りませんし、自然と出なくなることも多々あります。

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