副鼻腔炎(蓄膿症)

 副鼻腔に雑菌が入り炎症を起こすと、そこに膿が溜まるので、俗に蓄膿症といいます。前ページ図3の黄色い部分が、前頭洞・上顎洞の副鼻腔炎によって溜まった膿です。副鼻腔の粘膜は腫れて分厚くなります。これらは風邪や花粉症などの鼻炎で鼻の粘膜が腫れて、副鼻腔の出口がつまることが引き金になって起こります。風邪がこじれて、黄色い鼻汁や痰がたくさん出て、目頭のあたりが重くなるのが前頭洞炎、同じく目の下や上あごの歯の上あたりが痛くなるのが上顎洞炎の印です。蝶形骨洞や、篩(し)骨洞は鼻の真後ろ付

近にあるのでその部分の痛みや重い感じを自覚します。頭を振ると副鼻腔に溜まった膿がジュルジュル音を立てて流れ出る感じがあれば間違いありません。なお、上顎洞は前歯の上にあるので、虫歯の根本から雑菌が入り込んでも、上顎洞炎になります。歯の痛みだと思ったら蓄膿だったというわけですね。急性期の治療は殺菌性の高い抗生物質が中心です。長引いて慢性になった副鼻腔炎には、クラリスを少量3ヶ月ほど長期に使うと副作用も少なくきれいに治まるので、注目されています。






鼻血と止め方

 鼻血は、鼻をほじったりこすったりする刺激や、鼻をかんだりくしゃみによって血管に強い圧力がかかり、血管が切れて出た血です。図2で示した、キーゼルバッハ部位と呼ばれる左右の鼻の仕切り(鼻中隔)の先端からの出血が、鼻血の70%〜90%を占めると言われています。そこで鼻血が出たら、まずここを止血してください。ご自分の鼻を親指と人差し指で左右からつまんでみましょ

う。図1・2で示す様に鼻の根本には頭蓋骨の一部があり、それを触れます。そして骨より先は軟骨など柔らかいものでできています。キーゼルバッハ部位は骨のちょっと先にあるため、骨の終わる先を左右から指で強く押さえていると、大概の鼻血は止まります。前かがみになりながら5分間ほど圧迫しておけば良いでしょう。なお、これで止まらない場合は病院を訪ねてください。

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