骨密度の測定

 骨粗鬆症、いわゆる骨がもろくなっているかどうかは背骨の写真を見ればある程度わかります。しかし、それをよりハッキリと誰にでも理解しやすい形で示したものが骨密度です。これにはレントゲンを使う方法のほか、超音波で測定されることもあり、測る骨も腰椎(腰骨)、大腿骨、腕の骨、手の骨など様々です。しかしどれも、骨に沈着しているカルシウムが若年成人の平均(Young Adult Mean, YAM)と比べどのくらいあるかを数値化(%)したものです。そして現在の日本の基準ではYAMの70%以下なら骨粗鬆症で骨が折れやすい状態、70〜80%なら骨がもろくなってきている状態(骨減少症)、そして80%以上なら正常とされます。平均的な骨密度の年齢変化を図に示しました。女性では40歳を過ぎるまで若年成人の平均を維持していますが、閉経の年齢になりますと急激に骨密度が低下します。これがエストロゲン不足によって起こる骨の吸収です。ご覧のようにあっという間に80%に下がってしまい、骨粗鬆症一歩手前になります。閉経後10年たつと

低下は緩やかになりますが、引き続き下がり、ついには骨粗鬆症となります。なお、赤線は女性の平均値ですが、骨密度は個人差が大きく図のように幅があります。ピンク域の上側の方は比較的余裕があり、下側の方は早めの対策が必要です。また、早く閉経が来た方は曲線が早い時期から下折れしている可能性が高いので要注意です。男性は、閉経時の急激な低下がないため、右下がりの曲線が緩やかになり、平均値でもなかなか骨粗鬆症の域には下がりません。しかし男性でも当然個人差の幅(青点線の間)がありますので、人によっては70%を割り込む方もいます。 特に若い頃、積極的に運動をしていなかったり、結核を長く病んだ方、栄養不足に陥っていた方は要注意です。
 背骨の痛みを感じた方、生理が早く終わった方、そしてしょっちゅう骨を折っている方は骨粗鬆症の可能性があるので、骨密度をチェックし必要に応じた治療によって骨を強くし、骨折の予防しておきましょう。






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