すこやか生活

骨の一生と骨粗鬆症

 大変な仕事を"骨が折れる"などと言いますが、本当に骨が折れては一大事。高齢化と共に急増中の骨粗鬆症について、基本的な知識を深めることが今月のテーマです。
 骨は主に、
タンパク質(コラーゲンなど)とミネラル(カルシウムなど)の二つの成分でできています。このうちミネラルは金属なのでレントゲンに写ります。写真で見える骨は、主にこのカルシウムの影を見ています。骨は体の成長と共にその重みを増し、20才頃に最大の重さに達します。その後、中年から初老期にかけてこの状態を維持し、徐々に骨が軽くスカスカになってゆきます。しっかりとした骨を生涯維持するためには、若い頃太く強い骨を作っておくことと、初老期からの骨の衰退をできるだけくい止めることが大切です。成長期に牛乳を飲み、よく運動をして強い骨を作られた方は幸せです。しかし皆が皆、強い骨を作っているわけではありません。このような普通の

骨をお持ちの方は、骨粗鬆症の対策が必要です。
 さて、
女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減り、子宮粘膜が分厚くなって剥がれ落ちる生理のリズムが無くなることを閉経と呼びます。日本女性の閉経は平均53才と言われていますが、これには前後10年ほど個人差があります。エストロゲンには骨の成分が血液中に吸収されペラペラ、スカスカになるのを防ぐ働きがあるので、欠乏すると一気に骨がもろくなります。特に閉経直後の10年に骨の成分(骨密度)の15%が失われるので、女性は男性に比べ急激に骨粗鬆症に向かいます。そして10年が過ぎると骨吸収における男女差が無くなり、再び同じスピードでゆっくりと骨はもろくなってゆきます。そして、もろくなった背骨がつぶれて、身長が縮んだり背中が丸まってきます。こうして腰椎や胸椎の圧迫骨折が完成します。






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