心電図の意味
心電図は心臓の動きを科学的に見せた初めての道具です。これによって様々な不整脈、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、そして高血圧による左室肥大など、心臓の動きだけでなく、病気やその状況まで分かってきました。簡単な検査でもあり、心臓に何か問題があると疑われる場合は、まず第一に心電図を調べます。しかし、心電図は万能ではありません。病気の原因がすぐ解明できない
ことも多いのです。それは不整脈がたまたま出ていないとき、狭心症でも発作が出ていないときなどです。心電図は主に二つの現象を見ています。規則正しい波形かどうか、そして波形の形がどうなっているかなどです。(表参照)
不規則な波形が出ていれば不整脈と呼びます。その中でも規則的な脈拍の中に、たまに不規則な波形が出るものを期外収縮と呼びます。期外収縮は問題がないものも多いのですが、連発していたり、速い脈に変わりやすいものは治療が要ります。また、動悸などの自覚症状が強いものも治療します。期外収縮以外の不整脈は、血液の流れに支障をきたすものが多いので、概ね治療が必要になります。
波形の形の異常では、心臓のねじれや向きの異常は特に問題ありません。ブロックとは、心臓を収縮させる刺激が伝わるルートが、心臓の中で切れてしまうものです。このうち右脚ブロックはほぼ問題ありませんが、左脚ブロックは最も大切な左心室が傷害されているため、房室ブロックなどと共にペースメーカー挿入の適応になります。その他、心筋の様々な異常や、収縮刺激の伝導障害などが心電図でわかります。