食道ガンと胃ガン
食道ガン
食道ガンは、扁平上皮細胞から発生するガンです。食べ物の最初の通り道にできるガンなので、食べたものがつかえるなどの症状で気づきます。最近は内視鏡検査(胃カメラ)、バリウム検査が普及しているので、比較的小さいうちに発見されることも多くなりました。食道ガンの根本的な治療は手術ですが、ごく小さく浅いガンは内視鏡を使いガンの下からすくうように切ることが可能となりました。しかし、
まだこのような小さなガンの発見はまれです。その他、放射線や抗ガン剤も使われますが完治に至ることはまれで、大腸ガンや胃ガンと比べて治りにくいガンです。定期的な胃の検査を受ける以外では、食べ物がつかえる感じがしたら我慢せず、すぐに調べることが早めの発見につながります。また、タバコや極端に熱かったり刺激の多い食事ばかり取ると、食道を傷めてガンの発生を促すこともあるので、ほどほどにしましょう。
胃ガン
少し前までは日本でガンと言えば胃ガンというくらい多いガンでした。このためガン検診やガン対策の歴史は胃ガン対策だったと言っても良いくらいです。胃は食道のすぐ下なので、内視鏡やバリウムが到達しやすいため検診などが進みました。全国の医療機関、役所などの努力の結果、胃ガンで亡くなる方はここ30年みるみるうちに減ってきました。しかし、ガン自体は消えて無くなったわけではなく、様々な検査で早期発見され、手術や内視鏡による切除によって命を落とさずに済むようになっただけです。そして、未だに肺ガンとともにガンとしては最も大きな割合を占
めています。早期発見の方法が進んだ胃ガンですが、腹痛や黒色便(ガンからの出血)その他の症状を放置して、手遅れになる方もいます。また、スキルスと呼ばれ、比較的若年者に多く急速に進むガンもあります。これなどは発見されたときのほとんどが手遅れで、手術をしても見えない取り残しがあり、よく再発します。 ガンの早期発見には、定期的な胃ガン検診や、胃の症状が出たときに速やかに内視鏡検査を受けるとよいでしょう。血液検査でわかるCEAなどのガンマーカーもありますが、精度や特異度が低く、早期ガンの発見にはあまり役立ちません。