慢性肝炎とその症状
(1 ページから続く)
2)ALT(GPT)>AST(GPT)が高値を示す 肝臓の細胞が持続的に壊れるのでALTなどが肝細胞から血液中に漏れ出てきます。活発に肝臓の細胞が壊されているので、肝細胞に多く含まれるALTがASTよりも高値を示します。もちろん、γ-GTPやALPも高めになります。 3)何となく疲れやすい? 肝臓病になると疲れ易くなると信じられています。しかし落ち着いていれば、意外にそうでもありません。ALT(GPT)が100以上で炎症が強いときは、疲れやすく感じる方もいます。
4)頬や手のひら、前胸部が赤い 慢性肝炎が進んできたり肝硬変になると毛細血管が開くので皮膚が赤くなります。飲兵衛の赤ら顔のような感じです。お酒を飲まないのに飲み助だと思われ不快な思いをした肝炎の方もおられると思いますが、肝臓を傷めると毛細血管を広げる働きのあるエストロゲンという女性ホルモンの分解(解毒)が不十分になり、この現象が起こります。少し肝機能(解毒能)が落ちてきたサインなので要注意です。
肝硬変の主な症状
肝硬変は、慢性肝炎が進んだものです。おおむね慢性肝炎が発症してから15〜20年経過してなります。慢性肝炎の延長でより進行した状態ですので、様々な症状や合併症を起こします
1)肝臓は硬くなり小さくなっていく 肝細胞が壊れたあとの空間に、線維というタンパク質の筋が置き換わって溜まるので、全体に弾力性がなくなります。このため、お腹を触診すると肝臓が硬くなっているので、肝硬変と呼ばれます。そして、肝細胞の数が減ってくると小さくなります。
2)足のむくみや腹水の出現 肝硬変になると、肝臓でのタンパク質(アルブミン)の合成力が落ちるので、血液中のタンパク濃度が低下します。すると水分が血管にとどまることができなくなり、外へしみでてきます。このため体の低い部分である足にむくみ(浮腫)が出たり、お腹に水が溜まります。
(3 ページに続く)