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急性、慢性の肝臓病

 肝臓の主な病気を思い浮かべると、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝などでしょうか。これらは一般的な言葉なので日常生活でもよく耳にされることでしょう。しかし、病名の意味は漠然としてつかみ所がないものです。まずはこれら肝臓病を、急性、慢性にわけて説明します。

急性の肝臓病
 急性肝炎がその代表です。急性というからには急激に肝臓が悪くなるように感じますが、急性の肝臓病は、慢性的でない肝臓病といったニュアンスです。つまり、慢性の肝臓病のように病気が長引くことなく、ある一定の期間肝臓を傷めた後、スッキリ治ってしまう肝臓病です。A型肝炎、伝染性単核球症、薬の副作用による薬剤性肝障害などです。ほとんどの場合、黄疸が出たり肝障害が起こった後、1ヶ月から半年以内に治り、後遺症も残らないため、あまり心配はいりません。しかしごくまれに、肝臓の大部分が壊れて死んでしまう"劇症肝炎"になることもあります。この場合は生死をさまようので油断できません。

慢性の肝臓病
 慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝などが代表です。たいがい肝臓の細胞が少しずつ壊れ続け、肝臓の機能が徐々に低下していきます。血液検査ではAST(GOT),ALT(GPT)などが持続的に高く、肝臓の細胞が壊れていることを示しています。しかし急性肝炎ほど黄疸や疲労感などの自覚症状が出ないため病気であることに気づきません。知らないうちに徐々に病気が進み、症状が出てくる頃には、解毒、蛋白質の合成、栄養の貯蔵などの肝機能がめっきり落ちています。急性と慢性の境はおおよそ半年が目安です。半年を過ぎて治らなければ、この先長く肝臓病とつきあっていく覚悟を決めなければなりません。お酒の飲み方を見直す時期でもあります。






慢性肝炎とその症状

慢性肝炎は、6ヶ月以上肝臓に炎症が続いているものをいいます。具体的には血液検査でALT(GPT)が半年以上にわたって40以上を示していれば、可能性が高くなります。主な原因はB型、C型の肝炎ウイルスで、そのほか自己免疫性肝炎や原発性胆汁性肝硬変などまれなものもあります。落ち着いた慢性肝炎は普通、自覚症状が乏しいものです。血液検査で異常を指摘され、初めて気づく方がほとんどです。しかし、肝臓の炎症が続くと徐々に肝機能が低下し、肝硬変になります。肝硬変になると肝臓の機能障害が出ますので後述の様々な症状が出てきます。慢性肝炎の特徴を示します。

1)肝臓が腫れる
 炎症が起こると肝臓が真っ赤に腫れてむくみます。外から色はわかりませ


んが、おなかを触診すると、大きくなった肝臓を触れることができます。

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