すこやかな暮らしを応援します!

ページ3

鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第3巻9号

(2 ページから続く)

なく、痛みを伝える神経経路が圧迫などで傷害された時に感じる不快感です。腰の椎間板ヘルニアで、脊髄に入る神経が圧迫されると、足に痛みとしびれを感じるなどです。また肩や首のこりで首から手にのびる神経が圧迫され手や指がしびれることもよくあります。手足の血流不足が原因となって感覚が麻痺して

しびれることもあります。この場合はふれると冷たくなっていることが多いため、神経によるしびれとは区別がつきます。
 かゆみやしびれは日常的におこる痛みに近い感覚です。これらの感覚を覚えたら、以上のことを思い出して下さい。


痛みの治療薬

1)原因治療
 何事も原因を明らかにしてその解決を図ることが上策です。胃潰瘍の胃痛なら抗潰瘍薬、狭心症ならニトロなどの冠拡張剤、片頭痛ならカフェルゴット。胆石やガンなら手術です。骨粗鬆症による骨の痛みなら、骨を強くするエルシトニンの注射(カルシウムの注射などと呼ばれています。)も、この中に入ります。

2)非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)
 市販薬ならバファリンやセデス、イブなどです。医療用ではロキソニン、カロナール、インフリー、フルカムなどです。これらは、痛みを起こしている炎症の場で、痛みのもとが作られるのを防ぎます。どんな痛みにもある程度効くため、本当に様々な薬が多くの痛みに使われています。胃を荒らしやすいこと、ジンマシンや喘息といったアレルギーの副作用の多いことが特徴です。また、胃潰瘍ができていても薬の効果で胃の痛みを感じないこともあるので要注意です。この薬は原因の根本的な解決にならないため、飲みっぱなしにせず、痛いときだけ服用したり、痛みが楽になったら止めてみるなどの工夫が大切です。また、痛みが持続する慢性的な痛みには、1日1回〜2回の服用ですむ、長く効くタイプがよく、急激な痛みには、1日3回服用する短期作動型のものが良いでしょう。

3)ステロイド
 抗炎症作用が強いため、炎症によって起こる痛みを軽減します。内服だけでなく、関節などに注射して使われることもあります。

4)麻薬、準麻薬
 ガンによる強い痛みなどに用いられます。痛み治療薬の最終的な切り札です。ガンの患者では、痛みを我慢するよりもMS-コンチンといったモルヒネを十分量使い、痛みを軽減しながら日常生活を快適に過ごすほうが本人にとって幸せであろうという考え方が一般的になってきました。

5)その他
 抗うつ剤や精神安定剤は、心の側面で痛みが定着してしまっている方や、緊張による筋肉痛などに使われます。三叉神経痛やこむら返りの痛みなど、神経や筋肉の突発的な緊張による痛みに抗けいれん剤が有効なことがあります。胃痛の時に使うストロカインや抜歯の時に注射するキシロカインなどの局所麻酔薬も適材適所で使うと効果的です。扁桃腺・中耳炎や腎盂炎など化膿部位の痛みは抗生物質が決定打です。
 痛みの治療は個人差もあり様々です。色々試してご自分にあった痛みの治療を探っていって下さい。

痛みのおこり方 | 痛みの3つの側面・かゆみとしびれ | 痛みの治療薬 |
3つのヘルニア ・痛みの悪循環