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鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第3巻9号

すこやか生活

痛みのおこり方

 指を誤って包丁で切ったとします。すると指先の知覚神経という末梢神経で刺激を拾います。そして電線を流れる電流のように、刺激は神経を伝わり脊髄後根を通って、背骨の真ん中にある脊髄に入ります。次に脊髄を上に登って脳に入ります。そこで大脳皮質の痛みを感じる部位に伝達されて痛みとして認識されます。また、大脳辺縁系と呼ばれる自律神経や感情などを司

る部位にもその刺激が伝わり、ドキドキしたり血圧が上がるといった神経反射がおこったり、イライラや不安など不快な感情を覚え、つらい記憶が残ります。指を胃の潰瘍や盲腸、膝の打撲や腰の神経圧迫に置き換えてみて下さい。刺激が脊髄を通らず直接脳に入る首から上を除いた全身の痛みは、ほぼ同様な経路で伝わり脳で認識されています。ところで、この神経のネットワークは体の異変を速やかに知らせる警報器として発達してきました。従って痛みを無理に止めると体が発するシグナルを見落とすことになるので、やたらに痛みを止めないで我慢しなさいという考え方が古くからありました。しかし、警報器も年中鳴っていたのではうるさくて仕方ありません。最近は、痛みという警報器が無くとも体の異変をより詳しく知る検査方法が発達してきました。そこで、無理に痛みを我慢するのではなく、痛みの起こり方をキチンと調べ、その痛みにあった方法で取り除いていくことが現代医療の流れになりました


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