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鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第3巻8号

免疫とアレルギー

 花粉症の季節が始まりました。花粉を含めアレルギー反応も免疫反応の一つです。花粉症はスギ花粉を鼻水や涙を出して流したり、くしゃみで吹き飛ばして異物を体内から除去する生体防御の反応です。鼻の粘膜が腫れて鼻づまりを起こすのも、入り口で通せんぼをして異物の進入を防ぐためです。食物アレルギーで下痢や嘔吐するのも、胃腸から速やかに異物を出すためなのです。皮膚のかぶれでかゆくなるのは、引っ掻くことで異物を皮膚表面から掻き出すためです。アレルギーのない人でもほこりを吸えばくしゃみが出たり鼻水を垂らしま

すが、この程度が一般的な生体防御です。しかし、スギ花粉や毒物以外の食物などは本来外敵ではありません。アレルギーのある人は、普通の異物除去活動の範囲を超えて、過剰な反応が出てしまっているのです。この過剰な反応を制御するには、マスクをして異物の進入を防ぎ、反応が始まらなくしたり、薬で反応を軽減します。過敏反応と呼ばれるアレルギーは、元々は大切な生体防御反応から派生しているため断ち切るのは困難です。程度にもよりますが、不快を感じない程度にコントロールしていけばよろしいでしょう。






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