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鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第3巻7号
すこやか生活

ストレスと体

 ITによる情報処理の急速な進歩、そして学校、家庭、社会など、基本的な人間関係の変化によって、われわれ現代人はかつてないほどのストレスにさらされています。このストレスの激増に耐えられなくなり、様々な体や心の病を訴える方も増えています。ストレスや心の疲労によって腹痛、下痢、便秘などの胃腸症状、咳や喘息症状などの呼吸器症状、そしてメマイや動悸などの循環器症状などを訴える方を、かつては自律神経失調症、心身症と呼んでいました。最近ではうつ状態の身体症状として、仮面うつ病や

軽症うつ病とも呼ばれるようになりました。呼び名は時代や流行によって多少異なりますが、それだけストレスが人々の心と体を蝕むようになってきた事実は変わりません。あちこち調べたが痛みや体調不良の原因が見つからない、様々な薬や治療を試したがいっこうに自覚症状が取れないという方は要注意です。ご自分の家庭や仕事の環境、人間関係を一歩さがって客観的に眺めてください。普段意識していないストレスが潜んでいるかもしれません。お子さんも同様です。そして、こちらにも教えてください。




ストレスと病気の起こり方

 外部から体に負担(ストレス)がかかったとき、人は免疫力によって負担の原因を取り除いたり、ホルモンの調節でその負担に適応したりします。心のストレスは主に精神(脳や神経)にのしかかります。体の調節をするホルモンや防御を担う免疫は、心と独立したシステムと考えられていました。しかし最近では、脳や神経は神経ペプチドを介してホルモンや免疫に影響を及ぼしたり、免疫はサイトカインを介してホルモンや脳・神経に働くなど、お互いに関与しあって情報を共有しなが

ら総合的に体を守っていることがわかってきました。ストレスでドキドキするのは主に自律神経の影響。ストレスの影響で体の抵抗力が落ちたり、アレルギー疾患を起こしたり癌にかかりやすくなったりするのは免疫系に主な問題があります。また神経性食思不振症やインポテンツなど性機能低下はストレスによるホルモンの異常が原因になっています。

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