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気管支の構造と喘息の仕組みについてイメージがわきましたでしょうか?
さて、喘息の治療薬には
1)気管支拡張剤、
2)ステロイドを中心にした 広義の抗炎症剤、
3)補助薬
と、大きく分けて3系統あります。これらを上手に使い分けて、各人の状況に合わせていくのが我々の仕事です。 1)気管支拡張剤 図1-Cの、らせん状の筋肉の収縮をゆるめ、図1-Bの状態に戻し、気管支の内腔を確保します。これで空気の出入りが容易になります。 A)キサンチン系 テオドール、テオロング、ユニフィルなどの飲み薬と、注射薬のネオフィリンがあります。前者は、普段から服用し喘息のコントロールに使います。(図2-B)後者は、即効性があるので、発作時に点滴などに入れて使います。欧米ではあまり使われていませんが、抗炎症作用も少しあるとされるので、日本では気管支拡張剤の主力として使用されています。
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B)β-刺激剤 気管支の筋肉をゆるめる働きがある、交感神経のβ受容体を刺激します。発作時に吸入するメプチンエアー、ベロテックエアー、服用するタイプのメプチン、スピロペントなどが以前より使われています。即効性が期待できますが、持続時間の短い点が問題でした。欧米では持続性の高い吸入薬が市販されていますが、日本ではまだ手に入りません。近年、一枚張っておくと24時間持続的に効き、しかも副作用の出にくいホクナリンテープという薬が出ました。長時間効いているため、夜間、明け方の咳や息苦しさが軽減されるなど、今までの気管支拡張剤に比べると格段に良くできているので、私は気管支拡張剤の主力として使っています。(図2-A)なお、夜間など症状が強い時は、即効性のある吸入剤を使いますが、乱用すると心臓に負担をかけたり突然死の原因になりますので(図2-C)、気管支拡張剤の吸入をしなくても済むようにすることが、喘息治療の目標の一つです。
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