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鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第3巻11号

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こうして、ある程度、合目的に癒着は完成します。なお、癒着は腸以外でも様々な腹部の手術や炎症の結果起こりうるのです。一度できた癒着は自然にはがれることはありません。しかしくっついたからといってすぐに腹痛を起こすわけではありません。何十年間、何でもなかったのに、何かの拍子で便秘をすると、癒着が原因の腸閉塞を起こすこともあるので油断できません。


 
さて、癒着による腹痛や腸閉塞を避けるためには、腸に普段以上の負担をかけ不自然な動きを誘発しないことです。具体的には
便秘や下痢にならないように気をつけることです。手術をしている人は癒着だけでなく腸の運動も低下しているので、普段から自然な便通がつくように食物繊維を十分に取ったり自分に合った下剤を上手に使うよう気を配りましょう。


出血する腸の病気

虚血性大腸炎
 大腸に栄養や酸素を送る血管の末端がつまって、腸の粘膜が酸欠を起こし崩れて出血する病気です。心臓でいうと狭心症や心筋梗塞のようなもので、腸の循環不全の結果です。動脈硬化が進んだ高齢者に多く、膠原病やひどい便秘の女性などでは若くても起こることがあります。腹痛に続いて血液混じりの下痢や嘔吐がおこり、約1週間程度で出血や痛みが治まります。絶食や点滴などで腸を休めることが重要です。

感染性大腸炎
 腸管出血性大腸菌O-157赤痢が有名ですが、その他の大腸菌や、食中毒でも腸の炎症が強い場合は出血が起こり得ます。O-157などは、腎臓を傷め命を脅かす可能性がありますので、出血を伴う大腸炎は要注意です。下痢をしたら血液が混じっているか必ず確認し、こちらへ知らせて下さい。治療は抗生物質が中心です。    
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