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鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第3巻11号



しかし、大概のものは手術になります。早期ガンであれば98%くらいがほぼ完全に治ります。また、比較的進んだ進行ガンでも、明らかな転移が無ければ、手術によって80%くらいが完治します。このあたりは胃ガンや肺ガンに比べ悪性度の低い、たちの良いガンといえましょう。

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さて、大腸ガンは小さなうちはほとんど症状が無く、検診で行われる便潜血反応や、たまたま行った大腸内視鏡や注腸検査などで見つかります。
 治療の基本はガンを切り取ることです。ポリープの先端がガン化したもの、平べったく小さいものは、内視鏡検査で見ながら切り取ることができます。



腸の癒着と腹痛

 お腹の中で腸は、比較的自由に向きや位置を変えて蠕動運動などをしながら動き回っています。大腸の一部、そして腸へ血液を送る血管の束のところは背中側に固定されているものの、大部分は向きを変えながらのたうち回るような動きをしています。このように自由な動きをしている腸が、元々固定されている場所以外でくっつき、動きが制限されたらどうなるでしょうか?ひっくり返って捻れたままもとに戻れなくなったり、捻れたところから先に内容物が進まなくなり、パンパンに拡張して、真っ赤に腫れ上がります。また、動けないのに無理に動こうとして引きつれて、つねられたような痛みを感じます。これが腸の癒着による痛みや腸閉塞の仕組みです。

 癒着は自然に起こることもありますが、ほとんどが手術や盲腸などの強い炎症によって起こります。手術によってお腹を開いたとしましょう。このとき血液が腸の周囲にこぼれます。血液は糊のようにくっつきやすいタンパク質がたくさん含まれていますので癒着の原因になります。手術によってガンを含んだ大腸の一部を切ったとしましょう。残った大腸は当然つなぎ合わされますが、つなぎ目はもろく弱いため穴があいてしまわないように、動きやすい腸管膜や小腸などが自動的に寄り添ってガードしようとします。このとき寄り添った腸などとつなぎ目の周囲がくっつくこともあります。盲腸など、腸に炎症が起こったときもそこが破れないように腸のほかの部分が近寄ってきてくっつき守ろうとします。

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