今年、インフルエンザは流行るのか?

 季節性のインフルエンザは、冬に流行します。日本で流行が収束している夏の間に冬の南半球各国で流行り、その中心的なウイルス株が、来たる冬に日本で広がります。つまり夏の間の南半球の流行状況を見れば、ウイルス株を含め、次シーズンの流行を占うことができます。
 表は南半球各国の近年の4月から8月中旬の世界保健機構
(WHO)に報告されたインフルエンザ感染者数で

す。これらの国は、日本のようにインフルエンザの検査数が多くないので、絶対数としては少ないのですが、例年と同様な集計を行ったところ、記録的にインフルエンザの症例数が少ないことがわかりました。実に例年の1/101/100程です。実際に2019年以前のチリやオーストラリアの発生状況を見ると今年だけが特別であることがわかります。(グラフ)新しいウイルスが出ると、それまでのウイルスが姿を隠すと言われていますが、COVID-19対策により副次的に減少したと思われます。
①入国規制が行われ北半球からインフルエンザが持ち込まれなかった
②春(現地で秋)からロックダウンや学校閉鎖が行われ、集団感染(クラスター)が発生しなかった。
③マスク着用が広がった。
④3密回避が徹底された。
⑤テレワークや不要な移動が減るなど、感染対策を盛り込んだ、新しい生活様式が普及した。
⑥医療機関が危険回避でインフルエンザの検査をあまり行わなかった。
 
COVID-19の流行による唯一とも言える福音は、インフルエンザが流行らなかったことです。ただ、⑥の問題がどの程度、影響しているかにもよるので、この冬インフルエンザは絶対に流行らないと考えるより、できることは全てやっておくことで、流行をより一層小さいものにしていくことが大切です。また、①~⑤が有効で、インフルエンザの流行が起きなかったかも、本当のところはわかりません。くれぐれも油断せずに行きましょう。紛らわしいのが一番困ります。

4月~8月中旬の南半球各国のインフルエンザ発生状況   2020年WHOサーベーランスより

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