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上図の折れ線グラフは、1日の血糖値の変化を示したものです。健常者(緑の破線)でも空腹時85mg/dl程度の血糖が食事や間食に伴って、170mg/dlまで上下することがわかります。このように血糖は食べ物の影響を強く受け、その時々で大きく変化しているため、値はその瞬間の状況を示すに過ぎません。健常者のピーク時の血糖170mg/dlは、良好にコントロールされていたり、要努力の糖尿病の方と血糖値の値が重なります。つまり、食事の内容や食後の時間によって大きく上下する血糖値はワンポイントの検査では、その人が糖尿病なのかどうか、また、糖尿病の治療状態がどのようになっているのか確定することができません。比較的安定している早朝空腹時の血糖でさえ、前日の夕食の影響を多く受けるため、毎日変化の乏しい生活を送っている方を除き、結構上下します。 そこで、出てくるのがグリコヘモグロビンA1cです。赤血球の酸素を運ぶタンパクであるヘモグロビン(Hb)は、血
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液中のブドウ糖の濃度に応じて、赤血球の寿命の120日間に日齢が上がるにつれ少しずつ糖と結合しグリコヘモグロビン(HbA1c)となります(下図)。中図の●は糖と結合していない血中ヘモグロビン、●はブドウ糖、そして●はグリコヘモグロビンA1cです。図では50個のヘモグロビンのうち5個が●と結合し●となっており、10%ということになります。ただ人体の血液中には生まれたばかりの赤血球から寿命が尽きそうなものまでが混ざっています。そこで概ね60日目くらいが赤血球の平均的な日齢なので、仮に120日目だけの赤血球のHbA1cが10%になるくらいの血糖値なら、その人の全ての赤血球のHbA1cは5%になります。(緑の60日目)このようにHbA1cは長期間にわたる血糖値の状態を反映するので糖尿病の食事・運動・薬物療法が長期的に上手くいっているか安定的に知る目安としてとても有意義です。糖尿病の治療の際にはHbA1cを定期的に調べ現状を把握することが必要です。
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