鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第21巻5号

働きで行われ、吸い込んだ空気を肺胞とその毛細血管の間で、酸素と二酸化炭素のやり取りを行うことで成り立っています。老化は、筋肉を衰えさせ、換気を妨げるとともに、肺胞数やその毛細血管が減少することでガス交換能も低下します。この結果、若いころは

大丈夫だったのに後期高齢者付近の年齢になると急に息切れ、呼吸困難が出てくる場合があります。これは、もともと肺結核の後遺症があったり、喫煙でCOPDになっていたり、心不全の合併者によく見られます

老化による腎と排尿、水と塩分

:ゆっくりですが、腎臓のろ過機能が落ち、クレアチニン(尿毒素の指標)が上がってきます。動脈硬化を起こす他の病気が加わると、これを加速します。また、濃縮力が落ちるので、薄い尿がたくさん出るようになります。このため若いころよりは水分をたくさん摂らないと脱水を起こしやすくなります。塩分の排泄は基本的には保たれますが、腎機能が低下すると、カリウムの排泄が滞り、これが体内に蓄積する場合があります。

排尿(頻尿):老化により膀胱に溜められる尿量が減り、膀胱の筋力が低下して、出し切れず残尿が起こり頻尿となります。また、男性は前立腺肥大を合併するので、頻尿が加速します。また、尿道の括約筋が弱って出口がしっかり閉じられないと、尿漏れが起こったり、尿を我慢できなくなります。これに加え、予期せず膀胱の筋肉が収縮するようになり、過活動膀胱と呼ばれる状態にもなり、これも頻尿の原因となります。

老化と体の変化
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