骨がもろくなっていないか経過観察をしていくことが大切です。また、腰が痛かったり、背中が曲がってきている場合は要注意です。骨粗鬆症が進んできて、胸椎や腰椎の圧迫骨折が起きている可能性が高く、一刻も早く治療を行い、骨粗鬆症が進まないようにすることが大切です。大した転倒でないのに骨折した場合も同様です。関節:関節は骨と骨をつなぐ場所で、クッションとして半月板や椎間板のような軟骨が介在し、様々な靱帯が骨どうしを固定し、その周囲に筋肉とその先端の腱が付着し、曲
げ伸ばしの運動を行っています。重力のかかる椎間板や半月板、股関節の軟骨などは経年劣化ですり減って痛みが出てくることがあります。また、それに伴い軟骨をはさむ骨も痛んでくるのが変形性関節症と呼ばれる状態です。こちらは痛みを取るために手術となることも多く、骨折以外の手術では近年とみに増加傾向にある疾病です。人工関節に置き換える場合もあります。経年変化なので手術以外に急に良くすることは不可能ですが、重力の負担がかからないように体重を減らしておくことは大切です。
心・血管・肺機能の老化と症状
心臓:筋肉でできている袋が心臓で、生まれてからずっと1分間に60〜70回程度、収縮を続けています。他の骨格筋とことなり常時動いているので、運動不足になることはありません。しかし少しずつ老化は起こり、冠動脈という心臓に酸素や栄養を運ぶ血管が動脈硬化を起こし、血流が悪くなったり、大動脈の動脈硬化の影響などで、心臓弁の内のりが狭くなるなど、血管の老化が心臓に悪影響を及ぼします。血管系:老化で動脈硬化が進むと、動脈瘤となることがあります。これは、裂けたり破れたりすると突然死の原因となりますので非常に危険です。もちろん、老化以外の高血圧や高コレステロール血症、糖尿病、喫煙などの病気や要因が加わりますので、これらの動脈硬化を促進する病気を治療しておくことも大切です。また末梢動脈疾患(閉
塞性動脈硬化症)は、足などの血管に動脈硬化が起こり、足が冷たくなったりしびれたり、少し歩くと足が疲れたり痛くなって休まなければならなくなり、最終的には循環不全で皮膚が破れてくることもある病気です。単純な老化では起こりませんが、前述のような動脈硬化の原因が重なって起こります。また、年齢とともに足の静脈瘤も増えてきます。静脈瘤は足の静脈のうっ滞で、静脈内の逆流防止の弁が壊れ、るいるいと青い血管が怒張してくるものです。うっ滞した静脈血が固まり、それが千切れて静脈から心臓へ飛んでいくと、その先の肺動脈に血栓を起こします。これは、肺塞栓と呼ばれ、突然の胸痛や息切れ・呼吸不全の原因となります。普段から良く歩いていると静脈内のうっ血が予防でき、静脈瘤が形成されません。肺:呼吸は横隔膜や肋間筋の