鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第21巻10

すこやか生活

新型コロナ感染者数の現状

せん。ヨーロッパでは医療資源(医療者、ベッドや人工呼吸器)が枯渇しています。イタリアやイギリスでは引退した医師が現役に戻ったり、最終学年の医学生の医師登録を前倒しにする方向で、人員や資材確保に躍起です。フランスのマクロン大統領はこの状況を戦争状態と表現しましたが、まさに在郷軍人の再登用や学徒出陣と言える有様です。人口の6080%が感染すると言われ、数ヶ月では収まらない状況ですが、ゆっくり広がれば武漢やヨーロッパ各国のようにはならないでしょう。日本は元々感染症に対する国民の意識が高く、インフルエンザの際の咳エチケットやマスクの着用率が極めて高いのが特徴です。政府が依頼した学校の休校などにも全国的に呼応し従うという素直な国民性です。今後もこの国民性と助け合いの精神で、緩やかな拡大で社会全体が無事に乗り切れるよう願っています。

 図は、320日の専門家会議の会見で発表された、各国の感染者数です。PCR検査の件数が少ないため、日本の実態はわからないという意見もありますが、現在は検査数も増え、必要な対象者にはほぼ検査が行われています。図を見ると、3月下旬の時点では、日本はシンガポールと並んで、オーバーシュート(感染爆発)が起こっていない国で、持ちこたえていると言えます。ただ、現在ある程度つかめている感染ルートが確認できない時期になり、3ヶ月後くらいに感染のピークが来ると厚労省は予想しています。早まりそうですがイギリスでも初夏がピークと言われています。
 日本の対策が良かったのでしょうか?中国からの旅行者を止めるなどの初動が遅れ、北海道で感染が広がるなど残念なこともありますが、現在は感染者数は増えつつあるもののヨーロッパ各国のような指数関数的な増加ではありま

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