顔の代表的な炎症

1)丹毒
 表皮の下の真皮という柔らかい部分に連鎖球菌の感染しておこる炎症で、赤くボワッとはれて、痛みや熱を伴います。真皮は静脈やリンパ組織が豊富でその流れがうっ滞すると起こりやすいと考えられています。はれは、連鎖球菌の毒素や菌に対するアレルギーが関与しています。発症は急で、突然顔の一部が真っ赤にはれて熱や痛みを伴います。炎症の境界は明らかで、首などのリンパ節もはれ、高齢者では意識障害をきたすことがあります。
 内服の抗生物質では治りにくいこともあり、セフェム系の抗生物質を注射することが多く、ぶり返しやすいこともあり、10日から2週間近く治療しなければなりません。
2)面疔
 主にブドウ球菌の感染によって顔にできる化膿性の炎症で、毛穴から入った細菌が毛のうに限局するニキビから皮下組織に炎症が広がっておこります。抗生物質が無いころは、そのまま髄膜炎や敗血症まで発展し亡くなることあったので恐れられていました。丹毒と比べ深いので境界が不明瞭です。治療は丹毒と同様に抗生物質をしっかり使わなくてはなりません。
3)ニキビ
 毛穴の根元にある皮脂腺

にアクネ菌という細菌が繁殖し、炎症が起きたものです。皮脂腺という袋に脂が溜まって起こるため、小さな化膿巣のように見えます。性ホルモンのバランスが崩れて皮脂が溜まるので、男性ホルモンが急に増える思春期の男性や女性ホルモンと同時に男性ホルモンが増える思春期の女性にもよく見られます。年齢が進むと軽快・消失することがほとんどで、強い炎症によって痕が残らないように、洗顔などのスキンケアが大切です。
4)カミソリ負け
 2枚刃などのひげそりで、剃るときに顔の皮フを傷つけ、そこに炎症を起こしたものです。傷をつけた場所にブドウ球菌などが感染し膿んでいる場合もあります。カミソリが切れなくなっているのに使い続けたり、使用後洗わず刃が汚染されていると化膿の危険が高まります。アフターシェーブローションはアルコールなので、剃った後に塗っておくと消毒効果があります。
5)アトピー性皮フ炎
 アレルギーで起こる全身性の皮フの炎症で、かゆみが強く肘の内側など柔らかいところにできます。顔にできる場合もあり、全身を含めたスキンケアが必要です。

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