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前述のように、顔の皮フはとても薄くできています。このため、角化層のある表皮の裏側の真皮や皮下組織の状態が良くわかります。 顔が青白い(貧血) 血液中の赤血球に含まれる酸素を運ぶタンパク質であるヘモグロビン量が少ない状態で、出血量が多い場合などに見られます。顔の皮フの色が全体的に青白く、まぶたを裏返すと結膜の血管の赤味が淡いのがわかります。 赤ら顔である 多血症:貧血と逆で、血液が多い状態です。全体に顔が赤ら顔になることが多く、肺の病気などで酸素が不足し、それを補う場合に血液量が増えて起こったり、肥満が原因で睡眠時無呼吸に陥っている場合などに見られます。 毛細血管の拡張:部分的な赤ら顔の原因として多いものです。飲酒量が多い方などに多く見られ、よく見ると細いスジ状の血管が寄り集まっていたり、クモ状血管種と呼ばれる放射状に毛細血管がクモの足を伸ばしたような形態をしています。アルコールでなくとも肝硬変などで、解毒力が落ち、女性ホルモンの分解が不十分な時にも時々見られ、顔以外にも首筋や、全胸部、手掌の皮フにも同様な赤い変化が起こっています。 紫色の皮フ:血管から外へ出た血液が少し時間が経つと紫色に変色します。紫斑とも言われ、内出血を意味します。出血は直後が赤く、そのあと黒→紫と変わり、最後は黄色になって消えていきます。 黄疸:黄色いビリルビン色素が皮下に沈着し皮フが黄色く見えることです。赤血球の老廃物によるこの色素は、肝臓病、溶血性貧血などで色素が増えたり、ビリルビン色素の解毒などの処理ができないときに起こります。
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顔がむくんでいる:浮腫といわれ皮フの下層に水が溜まっている状態です。腎臓病や心不全などで、体が水をコントロールできなくなった時に起こります。重症な病気が隠れている場合も多く、顔がむくんでいる場合は要注意です。 顔全体が大きくはれている:ステロイドの長期服用などで起こるムーンフェイスが代表です。原疾患の改善によって、ステロイドの減量や中止がかなえば、自然と解消してきます。 蝶型紅斑:両ほほが、手のひらくらいの範囲、赤や赤紫に染まりほんの少し隆起したようになる状態です。膠原病の代表的疾患のSLEの典型症状の一つとして出現します。最初小さな紅斑がツブツブとでて、徐々に癒合してきます。ほほは、日光過敏でも赤くなるので紛らわしいですが、関節痛や全身の倦怠感その他の症状がある場合は、抗核抗体などの精密検査で確認が必要です。比較的若い女性を中心に女性に多い疾患です。 へリオトロープ疹:上まぶたに、腫れぼったい赤紫の紅斑がでるものです。膠原病の皮フ筋炎に見られるものです。鼻や額、ほほまで広がることもあります。手の甲側の指の関節のにもゴットロン兆候といわれる紅斑がみられます。 仮面様顔貌:顔の皮下の筋肉が硬直し、表情の微妙な変化を作りにくくなって、まばたきが減り、表情が固まったような感じになることです。パーキンソン病でよく見られます。 強皮症:全身の皮フが硬く、ぶ厚くなり、その一環として、顔の皮フも徐々に硬く表情が乏しく固まったような感じになります。進むと口やアゴの動きまで制限され 口が小さく、開口しにくくなります。
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