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「夏風邪をひいた。」、「かぜをこじらせた。」、「風邪をうつされた。」など、かぜ(風邪)という言葉は日常もっとも良く使われる病気の名前です。しかし、その言葉は、一般の方だけでなく、我々医療関係者の間でも、キチッとした定義に基づいて使われているわけではありません。くしゃみ、のどの痛み、鼻水、頭痛など、何となく体の調子が悪い状態の総称として皆さんは考えられていることでしょう。これはおおむね当たっています。風邪を定義するとしたら、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、せき、痰など、上気道(鼻、口、のど)から下気道(気管、気管支、肺)の症状に加え、発熱、頭痛、体のだるさ、
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食欲不振といった全身の症状を伴い、時に吐いたり下したりといった胃腸の症状を伴う急性の病気で、およそ一週間以内に治るもの。と、なるでしょう。原因のほとんどは、ウイルスという微生物です。ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなど様々なウイルスが原因となり、そのウイルスの種類と感染場所によって、前記の症状が異なってきます。インフルエンザも風邪を起こすウイルスの一つですが、発熱、全身症状が重く、肺炎などの合併症を起こしやすいため、普通の風邪とは区別されており、ワクチンによる予防や抗ウイルス剤による治療が行われているのです。
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