ガンの早期発見

 ガンは元々一つの細胞の突然変異から始まるため、出来たての時は小さすぎて見えません。従って、症状が出たり、ある程度の大きさにならないと検査をしても発見が困難です。ガンが発生すると血液中に増えてくる腫瘍マーカーと呼ばれる物質も、数多く研究されてきました。しかし、これらもまだまだ不十分で、ごく一部のものを除いて、ガンの早期発見にはあまり有用ではありません。現在、最もガンの発見率が高い検査は、臓器を直接のぞく内視鏡と、レントゲン、超音波、CT、MRIなどの画像診断です。そして、これらでガンが疑わしい場合には、細胞を取って顕微鏡で調べます。この、細胞を見た結果が決定的なものになるので、確定診断

と呼ばれます。従って、ガンが疑われる場合には何とかして細胞を手に入れて確認するのが現代のガン診断の定石になっています。しかし全員が、これらの精密検査を頻繁に受けることは、手間、暇、コストの面から非現実的です。よって、とりあえず、尿、血液一般検査、便、レントゲンなどで、ガンになっている可能性の高い人を絞り込み精密検査を行います。これが、健康診査などの趣旨です。なお、前述の発ガン物質や、発ガン促進物質に常時さらされている方は別です。これらの方は、その物質に特徴的なガンが出やすいため、早期発見に有益な検査法を定期的に受けることが大切です。また、いつもと体の調子が違う場合も要注意です。






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