すこやか生活
ガンてどんなもの?
髪の毛がまた生え、そしてまた抜けることをイメージしてください。この体の新陳代謝は、規律正しくコントロールされ、毛がどんどん無限に生えてきたりすることは、決してありません。 ところで、この仕組みが何かの拍子に壊れ、言うことを聞かない細胞がどんどん増えたらどうなるでしょうか?周りの正常な細胞が押しつぶされ、きちんと機能することができなくなり、ひいてはその人の生命活動を侵し、命を奪いかねません。このような正しい規律を失った細胞をガン細胞とよび、ガン細胞のかたまりをガンと言います。
ガンは脳卒中、心臓病を抜き、日本人の死因ナンバー1を占めています。そのため、絶望的な病気としてイメージされ、恐れられています。ガンについて正しいイメージ作りと対策が今月のテーマです。 ガン(悪性腫瘍)は元来、その人の細胞から発生します。人の細胞は、卵子と精子が合わさり受精卵になると、1個が2個、2個が4個、4個が8個と増えながら、徐々に異なった細胞に進化してゆき、体の各部分や臓器になってゆきます。そして、完成した体の細胞も新陳代謝などによって、常時、各部分の細胞が分裂、増殖し、やがて死んでゆきます。抜けた
ガン細胞の特徴
ガン細胞は胃ガンなら胃の、肺ガンなら肺の細胞から発生するので、元々の細胞と似た形や特性を持っています。しかし、ガン細胞は成熟した細胞から、より未分化な胎児の細胞に先祖帰りするので(幼若化)成熟した細胞の機能を失います(脱分化)。そして、これらの細胞は元の体の規律を守らず、勝手にどんどん増えてゆきます(自律的増殖)。その場で増えるだけでなく、体の他の部分へ飛んで行き(転
移)、行く先々でも増え続けます。このように親に似ず未熟で役に立たず、見さかいがなくキレて周りに迷惑をかけ、遠くまで出かけて行って、行く先々で乱暴を働く暴走族のような細胞といえるでしょう。そして、"憎まれっ子世にはばかる"というか、なかなか死ににくい細胞なため、どんどん仲間を増やし、あっという間に大きく凶悪な集団になってしまうのです。